19話
唯華「ダメだ…喋れる人が誰もいない…文字も見たことないから読めるわけ…」
目を凝らすと日本語に見えてくる。
唯華「これも特典か何か?」
他の住民同士では通じているようだ。一体なんの違いなのか…。
おそらく口が動いていて、相槌を打っているところを見ると読唇術の類なのか、もしくは自分の耳がおかしい
のか…。
ただ最後に話せた住人は病気と言っていた。と言うことは何かしらの原因はあるのだろう…。
どこに原因があるのだろうか…。
途中から聞こえなくなったと言うことはこちらの問題ではなさそうだ。
可能性があるのは…水、空気、食料…。時間ではない…。
空気の問題かもしれない…。もしくは遅効性のものなのかも…。
唯華「とりあえず、休もう」
宿屋に行き、名前を書いて休む。
ご飯はつかないみたいだ。
朝になったら周りを散策しなければ…。
―
大きな鳴き声が聞こえ、目が覚める。
何が起こったのだろうか。
ベッドから飛び降り、帯刀。宿屋を出る。
―
唯華「誰っ」
唸っている方向を見る。
唯華「どうやら敵さんからやってきてくれたみたいだね」
怪しげな息遣いをするリザードマン…。
長剣を抜く。周りに人がいないことを確認する。
相手も戦闘モードに入る。槍を構え始める。
荒かった息が整えられていく。
唯華「いざ、尋常に…」
金属がぶつかり合う音が響く。
唯華「え…なんでも切れるわけじゃないの?」
考えが違った。なんでも切れるから切った後に色々話を聞こうと思ったのに…まさか対等…これでは思い描い
ていた図にはならない。
一瞬の躊躇いが行動を鈍らせた。
すでに鼻先くらいにまで槍先がある。
唯華「甘かった…」




