17話
唯華「イタタタ…ありがとう」
クゥンとオオカミが鳴く。落ちる寸前、勢いを殺してくれたので助かった。
立ち上がると冷たい空気が頬を撫でる。
唯華「雪…?」
触った感じサラサラしていて冷たく感じない。
唯華「微かに焦げたような匂いがする…ってことは灰?」
辺りを見回しても一面灰ばかり。大きさ的に…村でもあったのだろうか。
歩いて周りを見る。
燃え跡から家の間取りみたいなものと、人だったものの灰がある。
灰になるとは…どういうことだろうか。
しかも見た感じだと逃げた形跡のようなものは一切ない。
大の字のようなもの…寝ている間に一瞬で燃え尽きたのだろうか。
せめて苦しまなかったとだけ思いたい。
手を合わせ、立ち上がる。
唯華「お待たせ、行こうか」
ウォン!と大きな返事が返ってくる。
唯華「さて…どこに行こうかなぁ…」
空中で分解した他の子たちはどこへ行ったのか、想像がつかない。そもそも移動しないほうがいいのだろう
か?ただ、ここがまた襲われないとも限らない。
唯華「まずは高いところから周りを見ようかな」
辺りを見回した時に山があったことを思い出す。
唯華「そんなに高くはなさそうだし、登りますか」
山へ足をのばす。
―
双葉「ここはどこ…?」
亀の背に乗って移動している。水の上を泳いでいる。磯の匂い…。
双葉「海なのかな」
辺りを見ても島などは見えない。
亀はいつから泳いでいるのだろうか。疲れていないだろうか。そう思いながらも感謝の念を込めて甲羅を撫
でると泳ぐスピードが上がる。
喜んでいるみたいだ。主人の生存も確認できたみたいですこぶる喜んでいる。
双葉「陸地までよろしくね」
言葉に反応するようにスピードが上がる。
ただ、少し疑問に思う。
双葉「私が乗れるくらいに大きかったっけ?」
疑問が解決しないまま亀は泳ぎ続ける。




