【海と夕日をキーワードにして書いてみた話】
【海と夕日をキーワードにして書いてみた話】
今日も海に呼ばれた気がした。だから、今日もオレはこうして海にヨットで、でている。
(今日も、夕日がキレイだ……。カズコに見せたい……)
もう少しで太陽が地平線に沈んでゆく。それを見るのが好きなヨウコ。だけど、今日は来られないというので1人でこうして海に出ている。
(一緒に見たかった……)
絶対にヨウコも喜んでくれて、喜びが2倍になる。それを味わいたかったタカシ。それを少しでも味わおうと、ヨットにカズコという名前を付けた。
(オレと一緒に海にでているのだから、見えないわけないか。オレとカズコは一心同体。オレの海での相棒だから)
しばらく、海の上から太陽を沈むのを見ていると、だんだんと辺りが暗くなってきた。もう少しで太陽が沈んでしまう。タカシが砂浜へヨットのカズコと共に戻ると、そこにはヨウコがいた。
「来てたのか」
「うん……。見たかったから……」
そう言いながら、ヨウコの視線は地平線へとむけられている。その横顔がキレイでいつまでも眺めていたい。
「見られて、良かったな」
「うん、貴方とカズコのシルエットもキレイでいつまでも見ていたかった……」
その声からうっとりしているのが伝わってくる。
「本当に好きだな」
「えぇ……」
そのヨウコの返事は波の音にかき消され、辺りは静かになり、次第に暗くなっていく。
「帰るか」
「そうね」
タカシはヨットのカズコを抱え、ヨウコと共に家路についた。
読んで頂きありがとうございました。