一日目夜
眠れない。ずっと眠っていたいのに
夜は怖い。理由もなく胸が苦しくなる
痛みもなく、苦しみもなく、僕が一瞬でこの世から消え去れば良いのに
断食は一日も持たなかった
醜い。嬉しい
自分の意思の脆弱さ、軽々と死を口にする軽薄さ、意地汚く食い荒らして喜ぶ浅ましさ、些細な苦痛に耐えられない脆弱さ、死の恐怖に怯える生き汚なさ
醜い、気持ち悪い、害虫と詰られるのも当然の有様だ
だけど、やっぱり僕は死にたくなんてないのだと
少しだけ嬉しい
怖い
家も冷暖房も布団も枕も水もお茶もご飯もおかずも冷凍食品もレトルト食品もインスタント食品もお風呂も水を沸かす電気も体を洗う洗剤も体を洗うタオルも体を拭くタオルも歯磨き粉も歯ブラシもなにもかもなにもかもなにもかも
全てはお金を払って手に入れるもので、いや手に入れてくれてる物で
浅ましい浅ましい浅ましい浅ましい
死ね死ね死ね死ね死ね死ね
口で言うだけなら簡単だ
そんな事これっぽっちも思っていないくせに
死にたいってんなら頑丈な縄を用意して結び方を学び踏み台を蹴り飛ばす勇気くらい見せてみろってんだ
生まれた事に意味などなく
生きてる事に価値などなく
死ぬ事に意味などない
ならば
他人に迷惑をかけて
害虫のように餌を貪り
意味も価値も無いどころか生きてるだけで害になるような存在になったとしても
誰も彼もが視界に入れるだけで嫌悪感を抱き、罵倒を飛ばされるような存在になったとしても
楽しいことなんて何一つなくても
言うまでもなく、僕はただ生きていたい