肉ナシの骨柄
嘆きを叫ぶ獣
悲しみに押し潰されて
内側から壊れていく
食べる作業は
単純化して
骨の形が分かる
生きてる骨の標本
光の宿らない命だ
くすんでいる
世の中の時間に
真っ正面から
立ち向かって
そのまま
後ろに倒された
起き上がれずに
踠いては
背中と地面が
くっついていくよ
哀毀骨立の三千世界
誰かの為に痩せ細るなら
それは
唯一無二の行為か
誰かの為に泣き嘆くなら
それは
唯一無二の行為か
本当に守るべき物は
他にある事を知りながら
彼等の背中
地面と一つになって
誰からも支えられない
僕等の「救う」は
誰も救えない
いつもの色がわからない
空は青い
雲は自由
そんな事は
突き刺すほどわかってる
綺麗な物が
綺麗だなんて
みんなが言ってる
それに染まっている人には
わからない
誰にも触れられない
背中の事なんて
傷んでいる
そこにあるだけで
痛んでいる
そこに居るだけで
背中と地面が
くっついて動けず
流した体液で
沼地に変わる
後は沈んでくだけ
息ができなくなるまで
哀毀骨立の三千世界
誰かの為に崩壊するなら
それは
唯一無二の行為か
誰かの為に泣き消えるなら
それは
唯一無二の行為か
本当に在るべき姿が
他にある事を知りながら
僕等の背中
地面と一つになって
誰も支えられない
僕等の「形」は
必ず消える