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ボッチからの卒業 ~異世界生活~  作者: たぬきのふぐり
3/4

街まで

 なんかお礼に街まで案内してもらうことになった。前を歩いている女の子は駆け出しの冒険者らしいがゴブリンも狩れないなんて…。


 やはりゲームとは違うんだろうな。


 ゴブリンなんてのは雑魚モンスターの代表格だ。いくら始めたばかりとはいえゴブリンぐらい20体はいないと死ぬまで追いつめられることはないはずだ。


 まぁ一般的な冒険者の強さなど諸々のことは街につけば様々な情報が手に入るだろう。


 …まずは寝床だな。ゲーム内で稼いだ金は使えるかわからないしな。…まぁ最悪女の子の家にお邪魔になろう。お礼は一泊ってことにして。食事はアイテムボックス内にあるはずだし…


 いろいろ考えながら女の子の後をついていると女の子はチラチラとこちらを見てくる。なんか気になるのかな?知らない間に失礼なことをしてしまっているとか…。


 わからない。世界が変わったってことは礼儀も価値観も違う可能性大だ。


 もしかしたら間を開けすぎているのかもしれない。ついてきているかわからなくなるから見てくるのではないか?


 女の子との距離を埋めるため少し早く歩く。女の子の後ろにピタッとくっつきながら後を歩く。これで大丈夫だろう。


 女の子がまた後ろを見てきた。すると体をビクつかせその場で立ち止まってしまう。まずい…。間違えたのか…。せっかく知り合った第一異世界人原住民だ。こんなところで自分の価値を下げてしまうのは愚か者のすることだ。


「すみません。何か失礼をしましたか?」


「あ、いえ、あ…あの、私の名前はオリビア=シーリルと申します。あの…名前をうかがってもよろしいでしょうか。」


 なるほど。彼女、シーリルちゃんは俺を警戒していたのだろう。確かによく知らない男が案内とはいえ後ろからついてくるのは女として怖いものがあるんだろうな。でも俺一応君を助けたんだけどな~。まぁいっか。


「私の名前は高見虎鉄と言います。どうぞよろしく。」


「あ、よ、よろしくお願いします。あの…街に案内させてもらっているのですが街についてから何か予定があったりするのでしょうか。」


「いや、特に予定はないですね。街を散策しようとは思っていましたが。」


「なら私が街も案内させてもらいます。よろしいですか。」


「…まぁ、ありがたいですがなにかあるんですか?」


「あの、旅人のタカミさんにお願いするのは筋違いだと思うのですが…、私が駆け出しの冒険者であることは話したと思うのですが実はどのパーティにも入れてもらえなくて…

コテツさんさえよければしばらく私とパーティを組んでもらうことはできないでしょうか。」


「ふむ…、失礼なことを聞くようですが。…なぜパーティに入れてもらえないんだと思いますか。」


「…私が弱いから…だと思います。冒険者はただでさえ死ぬ可能性が高いので仲間は強いに越したことはありません。私は特に才能があるわけでもなく特別な能力があるわけでもないので…」


 う~ん。別にパーティを組むのは構わないんだよな~。何なら冒険者って職業も手に入るわけだし…。


 でも、オリビアちゃんはそんなに弱いのかな。このあたりの敵の強さも不明だし冒険者の強さも不明だ。


 ゴブリンごときなら何体でも大丈夫だが強い敵なら守れる自信がな~。俺だってパーティを組んだことはないんだ。連携とかはもちろんできないし…。


今は答えは出さないで情報を集めてから結論を出そう。ゲームの魔法やアイテムがすべて使えるとは限らない。


 特に(ゴッド)魔法(マジック)が使えなかった場合、俺の戦力は大幅に下がる。そうなる自分のことで精いっぱいだ。シーリアちゃんまでは…。俺は無責任なことはしたくない。それに…。


 「この場では解答を控えさせてもらえますか。まだ私たちはお互いのことを知らないわけですし…。信用を置くものと仲間になるのがいいでしょう。」


「……その通りですね。すみません。もしよろしければその時はよろしくお願いしますね。」


 そう言って俺たちは街に向け歩き出す。街に向かう道すがらシーリアちゃんにいろいろなことを聞いてみた。


 冒険者になるには冒険者ギルドに登録することになる。冒険者にはランクがあり、Sが最高でABCDEFとランクは下がっていく。シーリアちゃんはFランクらしい。まぁゴブリンも倒せてないしな。


 魔法はあるらしく、才能のある人しかなれず魔法職の人は少ないらしい。優秀な人になると国に使えることが可能になるという。…まぁ優秀な人材を近くに置きたい気持ちもわかるな。


 魔法の位階についても質問してみた。ゲームでは1~10まで位階があり、その上に(ゴッド)魔法(マジック)が存在する。(ゴッド)魔法(マジック)は武具に付与しなければ使用することができないのだが…。


 シーリアちゃんは、詳しくは知らないらしいが、(ゴッド)魔法(マジック)などは聞いたことはないそうだ。


 他に貨幣や常識、冒険者にはどうすればなれるのかなど教えてもらえた。


 貨幣はゲーム内の貨幣が使えるみたいだが、ゲームの金貨は重量や質が高そうということなので街で詳しい人に聞いた方がいいとのこと。貨幣は金貨、銀貨、銅貨があり、金貨1枚=銀貨10枚。銀貨1枚=銅貨10枚の価値らしい。


 これから行く街はレリティン王国に属する都市らしい。レリティン王国は人族が基本だが他種族も生活しているらしい。


 国はほかにもスゼンルグがある。スゼンルグは人族至高主義らしい。他にもエルフの国クァリリン、ドワーフの国アーディン、獣人の国クラオータ、そして魔王が住む大陸ディリンメッルがある。魔王いるんだ。


 あと名前は後ろが家名で前が名だったらしい。オリビアちゃんだったのか。俺は名前も訂正しておいた。俺はコテツ=タカミです。


 オリビアちゃんには緊張しないな。ゲームでもリアルでも人と話すと緊張してうまく話せなかったけどオリビアちゃんには緊張しない。かわいい子と話せて幸せ。


 オリビアちゃんについてもいろいろ教えてもらった。今16歳とのこと。両親が魔物に襲われ死に、村での生活は苦しくなり、村から出て冒険者になったのはいいが、仲間を作ることができず、今日も薬草の採取の依頼を一人で受け森の中に入ったが、急に現れたゴブリンに襲われたらしい。


 そこを俺が助けたのか。オリビアちゃんは運がいいのかもしれない。まぁ今までの境遇を考えるとそんなことは言えないんだが…。今日だけ見れば若干運がいいんじゃないだろうか。


 オリビアちゃんともだいぶ打ち解けてきた。いい子じゃないか。けなげというかなんというか。もうオリビアちゃんと言える仲だ。


「ところで、その装備はどうやって手に入れたのですか?」


 オリビアちゃんが装備について聞いてきた。


「なんか変かな?」


「いえ、ただならぬ力を感じるというか…。そんな装備をしている人は見たことがないので。」


「確かに深紅で統一してて派手だけど目立つかな。」


「相当目立つと思います。もしかしたら冒険者になるとき最初から高ランクになるかもしれないですね。そうなると一緒に組めないんですけどね…。」


「えっ!なにそれ。」


 話によると冒険者がパーティを組む際には制限があり、自身のランクと2つ離れたランクの人とは組めないらしい。力が離れているものと組むのは危険とのこと。


 また、ダンジョンの難易度も関係があるらしく、例としてD以上しか入れないダンジョンにDランクがいるパーティだからといってメンバーにFランクがいればFの冒険者が入るのは危険だからとのことらしい。


 最初から力のあるものをFから始めるのではなく高ランクから始めさせて強力な魔物を倒してもらうことが目的みたいだ。最初に冒険者ギルドに所属している高ランクの冒険者と力試しをしてランクは決まるらしい。先輩の胸を借りる的な。


 なるほど。このままなら、オリビアちゃんと組めない可能性が出てくるな。ならオリビアちゃんと装備だけでも同じにしよう。ゲームでは前衛(一人だったが)だったので後衛の魔法職になるのもいいな。ていうか…なろう!


 誰が見てるかわからないんだ。前衛だと強さの違いが明確に出てしまう。魔法ならゲームでもあんま使ってこなかったし、素人だ。オリビアちゃんとともに強くなろう。


 俺の中ではもうオリビアちゃんとパーティを組むのは確定だ。どんなことをしてでも組む。やっと俺にも仲間ができる。仲間…。いい響き。


 こっちに来たときは昼頃だったのにもう夕暮れだ。目の前には街が見える。でかいな。


「あそこが都市アペルティア。レリティン王国で二番目に大きな都市です。」


 ここから新しい生活がはじまるのか。っとその前に、


「オリビアちゃん俺とパーティ組んでもらえるかな。」


「え、いいんですか。まだ街の中にも入っていませんけど。」


「ここまでの道のりで俺はオリビアちゃんのことを信用に値する人だと思った。オリビアちゃんさえよければ組んでもらいたい。」


「私の方からお願いしているんですからもちろん大丈夫です。これからよろしくお願いします。」


「こちらこそよろしくお願いします。オリビアちゃんのことは可能な限り守るからね。一緒に強くなっていこう。」


「はい!」


 これで二人の間ではパーティが成立したわけだがこれから街に行って冒険者ギルドで登録しないといけないわけだが、


「オリビアちゃん。オリビアちゃんの影に入ってていい?」


「え、どうゆうことですか。」


変な目で見られた。


「いや、街の中で装備を整えたいんだけどこの格好のままだと目立つ。だから君の影の中で身を潜んで、装備は君に買ってもらおうかなって」


「その装備を外せばいいんじゃないですか?」


「あ、そだね。」


 なんで気づかなかったんだ。今も変な目で見られてる。これじゃ変態だと思われているんだろう。好感度が下がったな。


 装備を外すといってもどれを外すか。現在の俺の装備は、


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


装備

 頭

 ・アン・エリマ・エリシャ(精神干渉無効、HSヘッドショット無効、(ゴッド)魔法(マジック):アヌの裁き) 

 鎧

 ・大山積神の怒り(物理D(ダメージ)1/4、魔法D(ダメージ)1/4、(ゴッド)魔法(マジック):磐長媛命の愛) 

 腕

 ・ポポル・ウブ・イシュ(STR:+超、武器耐久回復、(ゴッド)魔法(マジック):シバルバーの宮廷) 

 足

 ・造化独神(VIT:+超、ワープ可能、(ゴッド)魔法(マジック):天之御中主神の宙) 

 

 装飾品

 マント

 ・アニンガン・I(認識阻害、迷彩、状態異常無効、(ゴッド)魔法(マジック):イガルクの狂気) 

 腕輪

 ・亜空間実現装置(どこでもボックス)

 指輪

 ・シアリーズリング(INT:+超、(ゴッド)魔法(マジック):ケレースの大地)

 ・大口(おおぐち)()(かみ)召喚輪(大狼大口真神を召喚) 

 ・天帝一角獣召喚輪(有翼一角獣を召喚) 

 

 盾

 ・ルガルリ・n(魔法反射、(ゴッド)魔法(マジック):エヌルタの絶壁)

 武器

 ・イルミンゴット(形状変化、STR:+超、DEF:+超、(ゴッド)魔法(マジック):テュールの戦)

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 となっている。ゲーム内のレア度は


     最下級 下級 中級 上級 最上級 伝説級 世界級 創星級


 右に向かうたびにレア度は上がっていく。


 俺の装備はゲーム内最高レア度の創生級で統一されており、なおかつ(ゴッド)魔法(マジック)をすべて付与している。


 装備に魔法を付与することができ、魔法10位階それぞれが最適なレア度の装備に付与しなければ最大効果は出ない。


      最下級  下級  中級  上級 最上級 伝説級 世界級 創星級

      1~2   3~4  5~6  7   8   9   10  神


 という感じで、1~10位階まである魔法は分けられ、レア度が低い下級に7位階の魔法を付与しても最大効果は出ないが、レア度が高ければ何位階でも入れられる。レア度が高いからと言って効果の最大は変わらない。


 防具、武器はすべてアイテムボックスに入れるとして、装飾は何か残さなきゃな。亜空間実現装置(どこでもボックス)大口(おおぐち)()(かみ)召喚輪は残しておこう。


 どこでもアイテムボックスが使え、自動で収集してくれる亜空間実現装置(どこでもボックス)は便利だし、大狼大口真神を召喚する大口(おおぐち)()(かみ)召喚輪はなんかあったときのためにもっとこう。


 アイテムが使えるかは亜空間実現装置(どこでもボックス)を使用しているから大丈夫だと思うが今度試さなきゃな。


 魔法職でやっていく予定だし、最低レア度の最下級ローブを着よう。


 俺は決めた装備以外をアイテムボックス内に入れる。そしてローブを着る。オリビアちゃんは不思議そうにこちらを見ている。


「どうしたの?オリビアちゃん。」


「いえ…、急に装備が消えて…。そして無かったローブが出てきて…」


「あ~、アイテムボックスが外で使えるのが珍しいのかな?」


「アイテムボックス?」


「う~ん?」


 聞いてみるとアイテムボックスなんて便利アイテムはないらしい。オリビアちゃんにはなんでも入ってとっても便利と教えておいた。あと、ほかの人に言わないようにと。


 そういえば俺の外見はどうなっているんだろう。


 体を見るとムキムキだ。まさかと思い頭を触る。…髪の毛の感触がない。


 そうか…。ゲームのキャラクターの外見が今の俺の外見なんだろうな。


 筋肉質で体は大きく、スキンヘッドであごひげあり。左目の下には植物のモチーフをしたタトゥーが施されている。キャラメイクするときはかっこいいと思って作ったんだが。そういえばオリビアちゃんは俺の顔を見るの初めてなんじゃないか。


「オリビアちゃん俺の外見どんな感じ?」


「そうですね。おじさんって感じですかね。」


 オリビアちゃんは話しているときもチラチラ頭を見てくる。


 おじさんか…。まぁ俺もそう呼ばれる年齢だったしな。別にいいか。外見なんてどうでも。


「オリビアちゃんはかわいいよ。」


「//////」


 オリビアちゃんは顔を伏せてしまった。…セクハラだったかな。今度から気を付けよう。オリビアちゃんには嫌われたくない。


「…さて、じゃあ街に行きますか。」


「そうですね!」


 これからオリビアちゃんとの新しい生活が待っている。頑張らず、オリビアちゃんの安全だけを考えて行動しよう。


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