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少年になった転移者の自由奔放論  作者: 水無月水歩
第一章 気づいたら少年
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俺に初めて家族だと言ってくれた

えーーまた視点が迷走しています。ごめんなさい。あとで直します。

 あの後旦那さんがいつ帰ってくるのか聞いたら明日の昼くらいだそうだ、俺は食べた後だったのですごく眠かった。なので今日はこのまま寝ることにした。


 ミリナリアさんは眠ったシルフィを抱いて部屋から出ていった。早く明日にならないかなという気持ちと旦那さんになんて言われるかという不安な気持ちが混ざって色々考えてしまって寝れなかった。


 結果的に言えば色々助かったが今は不安、といったところだ旦那さんがダメだと言ったらおとなしく出ていこうと考えている。さっきも言ったが息子になるのはすごい恥ずかしい、というかどういう風に接すればいいか分からない。


(親って俺で言えば先生みたいなものかな?だったらいいんだけど。)


 そう思いながら俺は眠りに入った。




***




 朝になったらミリナリアさんが起こしに来た。時間なども向こうの世界と同じで一年が365日、一日が24時間だった。文字も【言語理解】によってちゃんと本も読めた。


 どうやらこの異世界には人間以外の種族がいるようだ。俺は「まあ定番だよねほかの種族とか」なんて感じだ。現在いる種族は大きく分けて人間、エルフ、獣人、精霊、小人族の五つ、そして滅んだとされる悪魔と悪魔族が他の種族に産ませた子供による魔族だ


 ミリナリアさんとシルフィは髪が白いが人間だった。大昔の祖先が他種族と交わったことによって髪の毛の色ではもう判別できないようだ。例えば黒髪のエルフとか赤髪の人間とか、髪の毛の色で差別などはないらしい。平和でよかった。


 こんな一般常識の本を午前中はずっと読んでいた。時々シルフィがドアの隙間からチラチラと見ていたが今はこの異世界についての情報がほしかったので悪いと思ったが無視していた。


 そして三人で昼を食べる直前にとうとう俺の運命を決める人が帰ってきた。


「ただいま~!今帰ったぞ~!」

「あ!おとうさまかえってきた!」


 そういったシルフィはいきなり玄関まで走っていった。その後にミリナリアさんがゆっくり歩いて行ったので俺は隠れるように後ろについていった。


「あなた、おかえりなさい。」

「ああ、ただいま。」


 帰ってきた旦那さんは背が高く筋肉質な体をしていた。見たときに目に入った赤髪に赤目が筋肉質な体とマッチして熱血系の人だなという印象だ。


「……ん?なんだ?その後ろにいる子は」


 俺はそういわれて体がビクッ!と反応した。ミリナリアさんはテンションを上げながら旦那さんに詰め寄った。


「シルフィと出かけて帰るときに森で倒れてたから、拾ってきちゃった♪」

「いや、拾ってきたって……でもその子の親が探しているだろう。親の名前とか聞いたのか?」

「それが記憶が無いみたいで……自分の名前しか覚えてないみたいなの」

「そうか……それじゃあその子はどうするんだ?」

「ふふふ♪私にいい考えがあるの♪」


 何とも言えない如何にも楽しそうな様子のミリナリアさんを見て俺は苦笑いしていた。


「なんだ?考えって」

「それはね……この子を私達の息子にすることです♪」

「え、なんて……」


 ミリナリアさんの考えを聞いた旦那さんは時が止まったかのようにピタリと止まっていた。やっぱりそうですよね、普通そういう反応するよね。


「なん……い……かん……えな……だ!」


 旦那さんがプルプル震えながら何かつぶやいていた。ああ、怒ってるんだなこれはきっとそうだ。


「なんていい考えなんだ!」

「えぇ!?」


 怒っているどころか嬉しそうな顔をしていた。なんでそんな嬉しそうな顔してるんだよ!


「そうでしょう!私達に念願の息子ができるのよ!」

「ああ!そうだな!」


 旦那さんまでニコニコしていた。ほんとに息子ほしかったんだなこの人達は


「それで坊主は名前なんて言うんだ?」


 今度は俺に向かって話しかけてきた。はあ、もう息子になるのは避けられないか。


「カイトと言います。あの……そんな簡単に息子にしていいんですか?得体のしれない子供ですよ?」

「ん?子供は子供だろ。そんな難しいこと考えなくていいんだよ。もう俺の息子……家族なんだからな!」


 二カッと歯を見せて笑いかけながら俺を息子と……家族と呼んでくれた。元の世界でも家族のような人達……孤児院のみんなは俺に「仲間だ」と言ってくれたが「家族だ」と言ってくれたことはなかった。俺は初めてそう言ってくれる存在ができて嬉しかった。


「俺の名前はフリードって言うんだ。呼び方は……まあなんでもいいや。」

「あら、じゃあ私はお義母さんって呼んでほしいわ♪」

「ねえねえおかあさま、かいとくんかぞくになるの?」

「そうよ。シルフィに兄妹ができるのよ」

「わーい!」


 気づいたら俺が感傷に浸っている間に会話が進んでいた。


「これからよろしくな。カイト」

「よろしくね。カイト」

「よろしく!かいとくん!」

「よ、よろしくお願いします!」




 こうして俺はこの人達の息子に……家族になった。


 

次の話は少し時間が飛ぶかも

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