シルフィ達の行方(シルフィside)
うーん、書いててやっぱりこの小説は一人称の方がいいと自覚した。
「到着!」
「あんまり変わってないね」
「当たり前だろ、久しぶりといってもそんなに時間はたってないんだし」
シルフィ達はいつもの広場から移動して森に来ていた。
「ミラお姉ちゃん大丈夫?」
「ハァハァ…… つ、つかれた……」
「……!(オロオロ!)」
森に向かう時に走ったので、体力のないミラはかなり疲れていた。他の五人はそんなに疲れていない。レイネとラピアが疲弊しているミラを介抱している隣で、残り三人は話していた。
「さて、なにするか」
「どうしようか」
「どうするの?」
三人とも同じようなことを言ったので意見を出し合うことにした。しばらくしてアクラが最初に案を言った。
「木にでも登るか?」
「それはダメだ。ミラを見てみろ、あんなに疲れてたら登れないだろ」
ローレンはミラを指していた。見るからに疲れ切っているミラに木登りは無理だろう。
「ミラはおいてけばいいじゃん」
「そんなことしたらかわいそうだろ。それに仲間はずれにしてるみたいで俺は嫌だ」
「ローレンの言う通りだよ!仲間はずれよくないよ!」
二人に反対されたのでアクラの案は却下された。
「ならお前らはなんかあるのかよ」
「う……」
「そ、それは……」
アクラに責められ口ごもるローレンとシルフィ
「ほらな、なにもないんじゃん」
「「……」」
「はあ、どうすんだよ、森に来た意味ないじゃんか」
あきれたアクラはそう言いながら座り込んだ
「……あ」
「どうしたんだ、ローレン」
「何か思いついたの?」
唐突に声を発したローレンに注目した二人がどうしたと聞いてきた。するとローレンは森の入り口の奥のほうを見つめながらニヤッと笑ってみんなの方へ向き全員に聞こえる声でこう言った。
「なあ、森の奥に行ってみないか?」
「「「「「……え?」」」」」
森の奥に行こうと言ったローレンをみんなは「何言ってんだこいつ」というような目で見ていた。
「な、なに言ってるのさ、頭おかしくなったのか?」
「お兄ちゃん大丈夫? 頭打ったの?」
「何か変なものでも食べたんじゃない?」
「……バカ?」
「(コクコク!)」
「……お前らひどいな……!」
みんなにぼろくそにひどい言われようで一瞬落ち込むローレン、すぐさま立ち上がり、ポケットから小さいナイフを取りだした。
「ほら、こいつで目印つけていけば迷わないし、そんな奥に行くわけじゃないからさ」
「……でも危険じゃないのか? 魔物が出たら俺たちじゃあ太刀打ちできないぞ」
「平気さ、魔物は森の奥にしか出ないし、最近は出てきてないじゃん、それに奥がどうなってるのか気になるだろ?」
「そりゃあ気になるけど……」
気になってるか気になってないかと言われると全員好奇心が大きくなり「見てみたい」という気持ちが出てきてしまう。子供なのだから仕方ない、
「……危険じゃないの、……私は行かないわよ」
「ふーん」
「……な、なによ……!」
「きっと奥にはこの辺にない植物とか花があるかもしれないのになー、 そっかー、 行かないのかー」
「……!!」
ミラの興味を引くためにあえてこの辺になく奥にあるかもしれない植物のことを言い出した。
「……やっぱり行く!」
「おお、そうか! 行くか!」
「私も!」
「「「「「!?」」」」」
ミラも行くことが決まったと同時に、いきなり大声を出したラピアに全員驚いた目で反応していた。
「そ、そうか、ラピアも行くか」
「いきなり声出したからびっくりしたぜ」
「そうだね、ラピアちゃんは普段はほとんどしゃべらないんだもん」
「ラピアお姉ちゃんの声久しぶりに聞いたー」
「……驚いた」
「……っ!(オロオロ)」
無口なラピアは稀に、極稀に普段の様子から想像できないくらいの大声をだすことがある。多分この中で一番大声が出る。
「い、いいから行こうぜ! ほら!」
ローレンは強引にアクラの手を引っ張って森の中へ歩き出した。
「お、おい! 行く! 行くから! いきなり引っ張るなよ!」
「あ、待ってよ!」
「レッツゴー!」
「「……ゴー(……!)」」
こうして森に来た五人の姿は森の奥へと消えていった。
続きは来週かな、ストックとかできたら楽になるかな……