シルフィ達の行方
もうこれは一人称と三人称使い分けて書くしかないのか……!
シルフィ達が森に向かった十数分後……
俺は全速力で走っていつもみんなと遊んでいる広場に着いたが
「ハァハァ…… ふう、疲れた。 ……あれ、みんなどこだ?」
周りを見回したが広場には誰もいない。仕方なく索敵を使って辺りを歩いたが何も反応がない。
「どこ行ったんだ?」
俺はみんなが行きそうな場所を考えた。やんちゃなローレンが遊ばないはずがないし……
「うーん、誰かあいつらがどこ行ったか知らないかなー」
走って疲れているので草むらの上に寝っ転がっていたら
「あん? おーい、カイトの坊主!」
「んー? あ、酒場のお兄さん!」
話しかけてきたのは酒場アルリッシュの店主の息子で二代目店主であるメッツだ。多分20代前半、身長が高く美形なので男としては少しイラつくが性格がよく優しいので村の女性から人気がある……イケメンよ滅びろ!
「どうしたんだ、ローレン達と遊んでるんじゃなかったのか?」
「あははは、実はみんながどこ行ったか分かんないんだ……探してるんだけど見つからなくって、酒場のお兄さんはみんながどこ行ったか知らない?」
多分知らないだろうけど一応聞いておくか。と軽い気持ちで聞いてみたら
「おう、知ってるぜ」
「そうだよね知って……え?知ってるの?」
おうふ、聞いてよかった……
「それでどこ行ったの?」
「あいつらが行ったのはあっちの方だから……多分森だろうな」
森か……って最初にいたところじゃん
「ところで森って行ったらダメなんじゃないの?」
森には魔物が出ることがあるので、義母さんが「森に行っちゃだめよ!」と言っているのだ。
え? なんで俺が森に行ったかって? そんなの誰も来ないからに決まってんじゃん。見られると面倒なことになるんだよ。多分ね
「いいか? ~がダメって言われるほどそれをやりたくならないか?」
あ、なるわ。なら仕方ない
「あとは黙っていればばれないしな! それと魔物が出るのは森の奥だからそんなに心配することじゃないのさ」
「へー」
そうだったのか、奥に行かなければいいのか。……まさか、あいつら奥に行ってないよな?
「ありがとう、酒場のお兄さん。森に行ってみるよ」
「いいってことよ、じゃあな!」
二カッと笑いながらメッツは去っていった。……クソっ、かっこいいなイケメンめ……
「そうじゃなくて、早く行かないと」
俺は森に向かって走り出した。
***
はい!森の入り口に着きました!疲れました!
「あー! くっそ疲れた! 往復すんならずっと森にいればよかった!」
汗かくし暑いし……はぁ……
「まあそれはいいさ、過ぎたことだからしょうがない、諦めよう。だが……」
たった今索敵を使って分かったが……
「なんでいないんだよ! ここに向かったんじゃなかったのか! 俺の苦労を返せ! この野郎!」
何のために走ったんだよ! ……まさかまだ着いてないってことはないよな?
「クソっ……ん?」
なんだあれ? 入り口付近の木になんか刃物で切り付けたような跡?が見える。
こんなの最初来た時に付いてたっけ? でも見てみると切り付けた跡が新しいんだよな…… 樹液が出てるし。
「一体誰が? 大人達がこんなことしてたのは見たことないし…… うん?」
……なんだがとてつもなく面倒で嫌な予感がする。まさかね、そんなわけないよね。そんなことするやつなんて…… あー、いたわ二人ほど元気で無茶しそうなやつが。そういえば、前にローレンが小さいナイフを貰ったと自慢していたような気がする。
「なんてこった、あいつら森の奥に行きやがったな……」