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フラッシュニスト  作者: 黒野 零
2/2

寂しく笑う女


そこには女の肖像画が高価そうな額に入れられ、飾られていた。


それは紛れもなくシーラの顔だった。


飢えた野性動物のように冴えたマリッジの感覚センスがはるか上空からの落下物ザナンブルを捉える。


『お前が、マリッジか…源創オリジナル…神眼のマリッジ…やっと逢えたぜ…』



『やはり上級闇天処(ザナンブル)か…それも憑依型アドリブだな…まぁ、シーラを滅茶苦茶こんなにしやがるんだからな…』


不特定多数の念から生まれでる闇天処ザナンブルは言葉をまともに話すことができない。

想いを1つにまとめあげることができず、話してもいくつもの声がバラバラになって発せられる。


しかし強い念がある場合、それが他をまとめ闇天処ザナンブルに言葉を与える。

その強い念に引かれ、またいくつもの念が集まる、つまり1つの強い念を持ち言葉を話すやつは上級の闇天処ザナンブルで手強い。


しかも、念が具現化する発生型アウト・ブレイクより、

人、とりわけマリッジたちのように闇天処ザナンブルと闘えるほどの人間を媒介として、それに憑依し出現する憑依型アドリブは超強力。


『さっさと降りてこい、このヤロー』


マリッジの“鋭集中ブレイド”がイカれた重量のように闇天処ザナンブルに襲いかかり、敵は大きな衝撃とともに地面に落下《着地》した。


闇天処ザナンブルの依りしろとしている長く美しい金髪の美青年にマリッジは見覚えがあった。


かつて一度ともに仕事をしたことがあったのだ。


マリッジたちにはそれぞれが持つ固有時間キー・タイムと呼ばれるものがあり、闇天処ザナンブルにそれを盗まれると憑依される。

言うなれば闇天処ザナンブルはコンピューター・ウイルス、憑依とはハッキングに似ている。



“グズグズしてるとシーラの固有時間キー・タイムまでまれかねない”


マリッジの能力チカラは冴えに冴えている。


起き上がった敵が何かしゃべろうとした刹那、マリッジは超速で敵の背後をとる。


振り向く間を与えず、鎌のような鋭い蹴りが敵にヒットする。


『オイオイ、いきなりかい、この金髪に見覚えは…』


マリッジは続く2発の蹴りと昇掌で、敵の臓器、手足を無用のものにした。


とどめを刺そうとした時、敵の金髪が針のように鋭く長く伸びる。


マリッジは仕方なく後方に退く。


『噂以上だぜ、お前…オレも本気でやらなきゃやべえな』


美しく均整のとれた顔が、体が歪み、黒いオーラがあふれでる。


金髪は黒く変形し、その髪の間から角が一本つきだした。

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