おさらい
教科書の落書き
ノートの端の告白
机の裏の宣言
土に埋めた缶箱
写真にすら残さなかった過去が
現像されないまま胸の奥に咲く
大したことじゃないけど
どうでもいいことだけど
そんな常套句で始まる晩餐に
頭を掻きながらやって来る
色褪せず
映像にはならないコマ撮りで
なぞった感触を思い出す
偉人への無礼千万
言えなかった言葉
うわ言のような幼い夢
見つからなかった過去
大したことじゃないけど
どうでもいいことだけど
そんな常套句で始まる晩餐の
上座に堂々と座らせよう
コマ撮りくらいで十分だから
あとは話術で沸かすから
青い青い過去問を
ここでおさらいしてみようか
落書きした教科書も、告白を書いたノートも捨ててしまって記憶の中だけ。埋まっている筈のタイムカプセルは掘り起こせなかった。卒業式の日、夢を書いた理科室の机は今も変わっていないだろうか。そんな事を思い出しながら。