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短編・詩 全般

おさらい

作者: 些稚 絃羽

教科書の落書き

ノートの端の告白

机の裏の宣言

土に埋めた缶箱


写真にすら残さなかった過去が

現像されないまま胸の奥に咲く

大したことじゃないけど

どうでもいいことだけど

そんな常套句で始まる晩餐に

頭を掻きながらやって来る

色褪せず

映像にはならないコマ撮りで

なぞった感触を思い出す


偉人への無礼千万

言えなかった言葉

うわ言のような幼い夢

見つからなかった過去


大したことじゃないけど

どうでもいいことだけど

そんな常套句で始まる晩餐の

上座に堂々と座らせよう

コマ撮りくらいで十分だから

あとは話術で沸かすから

青い青い過去問を

ここでおさらいしてみようか


落書きした教科書も、告白を書いたノートも捨ててしまって記憶の中だけ。埋まっている筈のタイムカプセルは掘り起こせなかった。卒業式の日、夢を書いた理科室の机は今も変わっていないだろうか。そんな事を思い出しながら。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最初の4行から始まるノスタルジーに震えます。ラスト、ここで青い青い過去問のおさらいのフレーズが、もう取り戻せないものへの切なさを感じます。 [一言] リズムが好き。そしてノスタルジーのつま…
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