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第4話 新ユニット結成!


10:30


ー喫茶店『学生街』ー


ホヘトとオヴェは、姫川理事長を自宅から尾行してここまでやってきた。

姫川理事長は、奥の席に座って誰かを待っているようだ。

ホヘトとオヴェは店の外から見張っている。


「店の中に入りたいけど、今入ると警戒されるな」


ホヘトは店の中を覗き込みながら渋い顔をした。


しばらくして姫川理事長が席を立った。


「今だ!オベ、中に入るぞ!」


ホヘトはオヴェの背中を叩いて走っていった。


「ちょっと待ってホヘトさん!」


オヴェも慌てて付いていく。

ホヘトとオヴェは店の中に入ると、ウエイトレスに事情を話して姫川理事長の真後ろの席に座った。

仕切りがあってホヘトたちの姿は見えない。


しばらくして姫川理事長が、ハンカチで手を拭きながら帰ってきた。


それから待つ事5分。


1人の男が入ってきて、姫川理事長の前の席に座った。

座った途端に姫川理事長は、周りをキョロキョロしながら迷惑そうに言った。


「困るんだよ!こんな所誰かに見られたらマズイだろ!」


男はタバコを出して火をつけて、煙を吐き出してから喋り始めた。


「まぁまぁ、ビクビクしなさんなって。いつもの白いアフロ着けてないだけでも感謝しなさいよ。今日ご足労頂いたのは他でもない。また融資の方、お願いしたいんですよ」


姫川理事長は身を乗り出して怒りの表情で言った。


「なんだと!あれだけくれてやったのに、まだ足りんと言うのか?」


男は薄笑いを浮かべながら言った。


「うちの組も立ち上げたばっかりなんでねぇ。何かと物要りな訳なんですよ」


姫川理事長は腕組みをしてそっぽを向いて言った。


「断る!もう払わんぞ!大体約束と違うじゃないか!」


「あなたの理事長の席を用意するのに、いくら手回ししたと思ってるんですか?昔のよしみで500万にまけてやったんですよ。それに今回の鮫島の始末料と、あなたの娘さんのお陰で余計な出費がかさみましてね。あと500万頂かないと割が合わないんですよ」


「500万だと!ふざけるな!それに、鮫島を始末してくれなんて一言も言っとらんぞ!ワシは帰る!」


姫川理事長が席を立って帰ろうとする時に、男はつぶやいた。


「娘さんがどうなってもいいんですか?」


姫川理事長が顔色を変えて戻ってきた。


「なんだと!エリカに何をした?」


男はタバコを灰皿に押しつけながら、姫川理事長の顔を見上げて言った。


「ちょっと預かってるだけですよ。500万払って貰えれば何もしやしませんよ」


姫川理事長は顔を歪ませて考えた挙げ句、すがるような声で言った。


「わかった。金は用意する。だからエリカを返してくれ!」


「分かりました。では、私の口座に500万振り込まれたら解放しましょう」


「金の工面をしてくる」


姫川理事長は、肩を落としながら店を出ていった。


男は携帯電話を出すと、どこかに電話をかけた。


「俺だ。そっちはどうだ?……逃げた?……ほう……探偵も捕まえたんか……わかった。……金か?娘の命と引き換えなら安いもんだろ。今からそっちにいく。手を出すなよ」


男は携帯電話を切ると店を出ていった。

仕切りの影から様子を伺いながら、ホヘトはオヴェに言った。


「姫川エリカは本当に誘拐されてたんだ。しかも探偵って言ってたよな?ひょっとしてあいつらの事かもしれんな。よし!あいつの後を追うぞ!」


ホヘトとオヴェは、男の後を追って店を出た。






ー郊外廃工場ー


10:50


ボッサン、オッパイ、アオイは、姫川エリカとユオを救出し、脱出したかに見えた。しかしローサンの凶弾に、GTRはグチャグチャ。脱出は阻止された。

3ヶ月前の『都庁爆発未遂事件』の後、ローサンは1人逃げ延びた。

新宿の街を放浪している時、白龍会の組長の鷹に出会い、気に入られて白龍会に加わっていた。


姫川エリカとユオ、そしてボッサン、オッパイ、アオイは、GTRのロールバーに守られてかすり傷程度で済んだ。

そして捕まって、手足を縛られ監禁されていた。

そしてまた逃げ出さないように、監視がつけられていた。

アオイは監視の目を盗んで、隠し持っていたナイフで自分のロープを切り始めた。


杉本は、包帯を巻いた足を引きずりながら横になっているユオの所にいくと、トカレフをユオの頭に押し付けた!


「よくも俺の足を刺してくれたな!ぶっ殺してやる!」


それを見ていたラッキョが止めに入る。


「杉本さん、殺しちゃ~マズイんじゃないですか。鷹さんに『手を出すな』って言われてるし」


ラッキョの言葉に杉本は食ってかかる。


「なんだ?ラッキョのくせに偉そうな事言うな。大体お前も悪いよな」


「何がすか?」


「2対1なんだからさ~、圧倒的にこっちが有利じゃん。もうちょっとさ~、考えて戦わないと」


「味方を撃っちゃうような杉本さんよりはマシだと思いますけどね」


「な、なんだよ。あれは~あれだ、作戦だよ、作戦。ちゃんと急所を外して撃ったんだよ。だから死ななかったろ?」


「重傷ですけどね」


「おいケーマン!お前も居眠りしてるんじゃないよ!」


「……え?な~んスか~?」


「な~んスか~じゃないよ!居眠りすんなっつ~の!」


「え~……ねてないっスよ~。目がほそいからねてるように見えるんじゃないっスか~?」


「とにかく!ラッキョに何とか言ってやれ!」


「ケーマン、自分の事は棚にあげてる杉本さんにガツンと言ってやりな」


「……2人とも、ケンカは…や~めろ~ぅ」


アオイは、監視の3人が漫才をやっている隙に、ボッサンとオッパイのロープも切った。

監視の3人に、ボッサンは笑いながら言った。


「ハッハッハッハッ。は~おもしれ~。お前らお笑いグループ作って売り出せよ。グループ名は『ポストマンず』で。い~や、おもしれ~や」


杉本はボッサンの笑い声にカチンときて、トカレフをボッサンに向けながら言った。


「おい、お前!ちょっと笑いすぎだよ!それ以上笑うと、鉛の玉をご馳走してやるからな!」


ボッサンは笑いを堪えながら杉本に言った。


「そんなに怒るなよ。お前たちさ~、誰が一番悪いかが知りたいんだろ?」


杉本はトカレフを向けたままボッサンに言った。


「だったら何だってんだよ!」


ボッサンは杉本たちを見渡して言った。


「多数決取ればいいじゃん。誰が一番悪いかを聞いていくから、一番多く手の上がった奴が最悪って事だ。本人の目の前じゃあ、手を上げづらいだろうから、目をつぶってな。はい、じゃあ目をつぶって~」


杉本はラッキョとケーマンを見ながら返事をした。


「しょうがないなぁ。ラッキョ、ケーマン、薄目を開けて見るなよな」


「その言葉、そっくりそのまま返しますよ」


3人は素直に目をつぶった。

ボッサンはオッパイとアオイに合図して音を立てずに立ち上がった。


「じゃあいくよ~。ラッキョが一番悪いと思う人~」


ボッサンは喋りながら、オッパイとアオイに指で指示した。


「ふむふむ。じゃあケーマンが一番悪いと思う人~」


ボッサンたちは杉本、ラッキョ、ケーマンの後ろに忍び足で回った。


「じゃあ、杉本が一番悪いと思う人~」


各自配置に着いた。


「まだ目を開けないで!それじゃあ、3.2.1で目を開けて。3.2.1!」


ボッサンたちは3人に襲いかかり、武器を取り上げて一網打尽にした!


「あ~!きったね~!」


オッパイとアオイは、杉本、ラッキョ、ケーマンをまとめて縛り上げて猿ぐつわをした。


「う~!う~!う~!」


「しばらくそこで『ポストマンず』のネタでも考えてな。

さ~て、ここから出るよ~!」


ボッサンたちは、姫川エリカとユオを連れて出口にむかった!
















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