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第3話 涙の再会


ー郊外廃工場ー


ユオは、杉本に銃口を向けられていた。


「悪く思うなよ。天国に行ける事を祈ってるぜ!じゃあな!」


まさに引き金が引かれようとしたその時、

『ねるとん紅鯨団』の如く声が掛かった!


「ちょっとまったぁ~!」


白龍会の6人は辺りを見渡した!


「誰だ!出てきやがれ!」


すると、開いた鉄の大きな扉の影から、男が1人入ってきた。


「1つ、人の世の生血をすすり


2つ、ふらちな悪行三昧


3つ、未来の大物だ 大ちゃんアッチョレ人気者……

あれ?何か違うな。まぁいいや。

そいつに手を出すな!」


ユオは顔を上げて見てみると、そこにはボッサンが立っていた。


「ボッサン!」


「ユオ、助けに来てやったぞ!有りがたく思えよ!」


「ちょっとボッサン!1人でいいかっこしいは止めてもらっていいすか」


ボッサンの後ろからオッパイが現れた。


「張り合う相手がいないとつまんねーから、しょうがねー、助けてやっか!」


そしてアオイが現れた!


「みんな……」


ユオは微笑んだ。


「なに寝ぼけた事言ってんだよ!こっちは6人。そっちは3人。勝てっこねぇだろ!」


杉本は、銃をポッサンたちに向けながら言った。


「それはどうかな?野郎ども!行くぜ!」


ボッサンのかけ声と共に、3人はバラバラに走り出した!


「やっちまえ!」


杉本は、ユオを見張りながら声を張り上げた!


ボッサンは男2人の前で立ち止まった。

ケーマンはヌンチャクを回しながら、ラッキョはドスを構えて近づいてきた!

2人との距離は2メートル。

ボッサンは、足元に転がっていたバケツを、2人の頭の上に蹴り上げた!

2人はバケツを目で追った。

その隙に、ケーマンの腹に蹴りをブチ込んだ!

ヌンチャクがケーマンの手から離れたのを空中でキャッチ!

ケーマンは、ガラクタの山の中に吹っ飛んだ!

ラッキョが突っ込んできた!

ボッサンはヌンチャクでドスを叩き落とし、続けざまにラッキョの頭にぶち当てた!

最後は廻し蹴りを腹に決めてフィニッシュ!


「アターッ!」


ボッサンは調子に乗ってヌンチャクを振り回す。

肩の上でキャッチするヌンチャクが後頭部を直撃!

ボッサンは頭を抱えて座り込んだ。


オッパイの前には、鉄パイプの男と木刀の男が迫ってきた。

まず鉄パイプの男が襲い掛かってきた!

オッパイは鉄パイプを余裕でかわしていく。

そして隙を見て、ボディブローをブチ込んだ!

男は鉄パイプを落として腹を抱えたところでアッパーカット!

男は宙を舞って吹っ飛んだ!

もう1人の男は、木刀を捨ててファィティングポーズを取ってきた。


「ほほ~、おもろいやんけ」


オッパイもファィティングポーズを取った。

相手はサウスポーだ。

2人はジワジワと間合いを詰めていって、ジャブで様子を伺う。

相手の左ストレートが飛んできた!速い!

避けきれず顔面に食らった!

オッパイはグラッとしたが、首を降って持ち直した。

相手の男はニヤッと笑った。

オッパイはファィティングポーズを取ると、ステップを踏んで男の周りを回り始めた。

男は嫌な顔をし始めた。

オッパイは、男のパンチを避けながらパンチを繰り出していく。

そして右ストレートが男の顔面を捕らえた!

男はのけぞる!

オッパイは畳み掛ける様にパンチを繰り出す!

最後は渾身のボディブローでフィニッシュ!

男は膝まずき倒れた。


アオイの相手は、バタフライナイフを出してきた。

そしてバタフライナイフ特有の動作をカチャカチャやりながら迫ってきた。

アオイはジャックナイフを出した。

相手は切りつけてきた!

アオイはナイフをかわすと、ため息をついてジャックナイフを仕舞った。

どうやらアオイは相手を見切ったようだ。


「ふざけやがって!死ね~!」


突っ込んできた男のナイフを持った腕を、脇で挟んでみぞおちに膝げり!

腕を取って背中にねじり上げる!

そしてバタフライナイフを奪って、男の首筋に当てた!


「カッコだけでこんなもん持つんじゃねーよ!」


ボッサン・オッパイ・アオイは、あっという間に5人を片付けた!

残るは杉本だけだ。


「何なんだテメエら!」


杉本は、銃口をボッサンたちに向けながら叫んだ!

ボッサンは杉本に近づきながら言った。


「銃を捨てな!さもないと、この男の首から血のシャワーが吹き出るぜ!」


アオイは、男の首に当てたバタフライナイフを更に押し当てた。

杉本は、銃をゆっくりと下ろした。

だが次の瞬間、アオイが押さえている男に向けて引き金を引いた!

乾いた発射音とともに、弾丸は男の胸にめり込んだ!


「そ…ん……な……」


男は崩れ落ちた!


「ハハハハハッ!甘いんだよ、テメエらはよ!」


杉本は、高笑いしながら銃口をボッサンたちに向けた!

ボッサンは怒りに震えながら杉本に言った。


「仲間を射つなんて、貴様!それでも人間か!」


「所詮、兵隊は使い捨てなんだよ!今、ここでお前の兵隊の頭を吹っ飛ばしてやるから、よ~く見とけ!」


そう言うと杉本は銃口をユオの頭に向けた!


その後ろでは、エリカが鉄パイプを構えて忍び寄っていた。

エリカは杉本の後ろにくると、鉄パイプを振りかぶった!

と同時に、杉本は後ろに目が付いているかの様に、振り返って銃口をエリカに向けた!

エリカは鉄パイプを振りかぶったまま動けなかった。


「お前らのやる事はお見通しなんだよ!その鉄パイプを捨てな!」


エリカは渋々鉄パイプを床に置いた。


「そこで大人しく、この男の最後を見てな!」


杉本は振り返ってユオに銃口を向けた!

その時ユオはナイフを構えていた!そして力を振り絞って杉本の足の甲に突き立てた!


「ギャ~!」


杉本は揉んどりうって倒れた!

それを見てボッサンが飛び出した!


「テメ~!よくもやりやがったな!」


杉本は倒れたまま銃をユオに向けた!

その銃をボッサンは蹴り飛ばした!

ボッサンはしゃがんで杉本の胸ぐらを掴んで言った。


「残念だったな!今度はテメエが切り捨てらんない様に注意しな!」


ボッサンは杉本の顔を思いっきりぶん殴った!

杉本は気絶した。


「ユオ~!」


最初にユオの所に駆けつけたのはエリカだった。

エリカはユオを抱き起こした。


「ユオ!しっかりして!」


ボッサン・オッパイ・アオイも集まった。

ユオはみんなを見上げて言った。


「なんだろな~、ここで死んじゃった方がカッコいいのかな~?」


ボッサンはユオに言った。


「ユオ、死ぬ事が格好いい訳ねぇ~んだよ!冗談でもそんな事言うな、バーカ!そんな事よりここをずらかるぞ!」


エリカとユオの救出に成功者したボッサンたちは、ボッサンの愛車GTRに乗り込んだ。


「とりあえずユオを病院送りにしちまわねぇとな」


ボッサンはエンジンをかけながら言った。


「なんだかな~、意味違ってるし」


ユオが笑いながら言った。


「腕の1本や2本折っといた方がええんちゃいます?」


オッパイが言った。


「ユオに血をやって恩を売っとくか。血液型一緒だったよな」


アオイが言った。


「でも生きて帰れてほんと良かった!みんなありがと!」


エリカは笑顔で言った。


GTRは正門に向かって、勢いよく走り出した。


突然!ARの発射音が鳴り響き、GTRに衝撃がきた!


「なんだなんだ!」


ガラスは割れタイヤはバースト!ハンドルが効かなくなり、片輪が鉄骨に乗り上げてひっくり返った!

GTRは逆さまで火花を散らしながら滑っていき、柱にぶつかって止まった!

逆さまで蜂の巣になったGTRのエンジンルームから蒸気が立ちこめた!


「ぐっ……くそ!俺の…GTRを……誰だ!」


ボッサンは逆さまになってもがいていると、

立ちこめる蒸気の合間から、

空になったマガジンを捨てながら、こっちに歩いてくる足がみえた。


その男は、AK47に新しいマガジンを装填すると、GTRの前で止まって言った。


「感動の再開で涙が止まらないみたいだね。あ、ごめ~ん。止まらないのは涙じゃなくて、血みたいだね~。

なんちって、ンフッ♪」













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