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朝
目が覚めたらまだ3時だった。
リビングで寝てしまったようだ。
少し明るいのは月明かりではなく、電灯のせいだろう。
何気なしに外を見ると人影が見える。
まさに佇んでいるという様子で、身じろぎ一つしない。
いや、どちらかと言えば何かを見つめているのかもしれない。
若い、ということは一目で分かった。
髪は短くないが男ということも服装からわかった。
赤い何かを羽織っており、ジーンズを穿いている。
少し下を向いて歩き始めた。
明日も早いので、もう一度寝ることにしよう。
次は目覚まし時計に起こされた。
リビングを出てキッチンに向かう。
雑に積まれているタオルを取り、次は脱衣所へ。
この2年で朝風呂が習慣になった。
風呂をあがり、寝室へ行く。
クローゼットを開けいつも通りのスーツに着替える。
いつも通りの朝をいつも通りに過ごし、いつも通りに6時50分に家を出る。