回想
音が聞こえてきた。
先週にも聞いた音。だが、私は4年前のことをつい思い出してしまう。
近づいてきている、少しずつ音が大きくなってきた。
うちの前を通り過ぎるかも知れない、少し窓から覗いてみようか。
窓なんて最近ほとんど開けなかったから滑りが悪い。
赤い光が目に入ってきた。
ん。止まった、あの時のように。
・・・隣のマンションかもしれない。
少し騒がしくなってきた。
寒いからそろそろ戻ろう。
1分ほどすると男の怒鳴り声が聞こえてきた。
救急隊員であろう。野次馬のものと思われるどよめき、車のトランクを閉めるような音、そして再びサイレン。
私は思わず部屋の入り口に目を向けてしまった。
美樹が倒れていた場所。
キッチンに向かっていたのだろう。エプロンを着
て、カボチャポタージュの作り方が書かれたメモを持っていた。
私はとっさに動くことができなかった。
しばらく美樹の体をゆすり続けていた。
そして次に実家へ電話をした。
早く救急車を呼べと怒鳴られた。
家についてから20分も経ってから私は救急車を呼んだ。
永遠にも思える10分が経ち、ようやく救急車が家にきた。
早く早くと何度も救急隊員を急かした。
病院に着き、運ばれていく美樹に私は声をかけることができなかったし、次に美樹と会ったときには顔を直視することができなかった。
それから私は長い間泣き続けた。
短いのは作者が忙しくて飽きっぽいからです。
気が向いたら続きもがんばります。
まあ見てくれる人なんていないかもしれないけど。