第0話:話の設定の紹介
初めての投稿なので多々おかしな点があると思います。
あと、途中で何人か登場人物が話の舞台から去ることになりそうです。主役級でも例外はありません。その時はすみません。
長く続く戦いにおいては、必ず英雄と悪役が作られる。悪役の筆頭は裏切り者だろう。情報を漏らし味方を陥れる。スパイのように潜入する場合もあれば、事情により突然反旗を翻す場合もある。これはそんな裏切り者のお話。
遥か遠い昔、ある銀河系の惑星では戦乱が起きていた。といっても実際に衝突しているのは二つの国。他の国は日和見を決め込んだり、こそっと協力したりと好き勝手にしていた。
かつて全ての国を巻き込んだ戦の傷がようやく癒えたばかりで、正直しんどかった。
それにもかかわらず戦いが起きたのは、その二つの国がもともと一つの国だったことに関係している。
簡潔に言えば、「ウチの会社、会長派と社長派に分裂しててさ……」ということ。
ひとつは以前の国王を中心とした国。もうひとつは以前の大統領を中心とした国。
これはかつての連邦君主並立制なんて変な社会の仕組みによる結果。長い歴史の中で、国王によって統治されていた国に周りの小さな国々が合併していき出来上がった以前の国は、様々な火種がくすぶっていた。
すべての国を巻き込んだ戦が終わり、外に向けていた目を内にむけるようになっていたある日、対談をしていた国王と大統領は“国を一つにまとめる必要がある”とどちらも考えていた。
「…少しずつ国が乱れてきましたね。」
「確かに。戦の間だけはまとまっていたのだが…」
「…こうも人の心が変わるとは…残念です。」
「仕方ないことだ。それよりも対策を練るべきだ。」
「そうですね、誰かが国を一つにまとめないといけないですね。」
「そうだ。誰かが国を一つにまとめないといけない。」
「………」
「………」
「「“誰か”が国を一つにまとめないといけない……」」
「…安心して下さい。必ずやり遂げます。」
「…君こそ期待して待っててくれ。大丈夫、“一人で”出来る。」
「私も“一人で”大丈夫ですよ。」
「………」
「………」
この対談後、互いに国の安定を願う二人は、人々から支持される者の誇りと結構頑固な性格によって、国を一つにする為の戦いを始めた。
…そして開戦から10年が過ぎたある日、前大統領陣営の田舎の町に一人の男が着いた。