バナナ
登場人物
・たかし
・母
・父
あらすじ
たかしは肥満児の小6。
朝ごはんに、母はバナナを出した。
たかし
「ええ~、またバナナ~、もうやだよ~~」
母
「たかしは太りすぎだからこれぐらいが丁度いいの。ダイエットには朝バナナがいいとよく言うしね」
たかし
「ええ~~、朝バナナってなんだよ~~。朝ごはんにバナナが付くってことでしょ、ふつ~~」
母
「そんなのじゃ意味ないでしょ。大体、ぶくぶく太って。見っとも無いったらありゃしない!」
たかし
「いいじゃんかよ~~。朝だっていっぱい食べたいんだよ~~。どうせ母ちゃん、作んのメンドクサイだけなんだろ~?」
母
「……たかし。母ちゃんは、たかしを想ってバナナだけにしているのよ。晩ごはんも栄養バランス考えて、たかしがすくすく健康に育ってくれるように願いをこめて、愛情もいっっっぱい込めてね――」
たかし
「ああ、もういいよ。いつもいつも。わかったよ、これで我慢する」
母
「うんうん、わかってくれてありがとう」
たかし
「もうああ~~頭なでるなあ~……あ、父ちゃん」
父
「……おはよう」
たかし
「おはよう」
母
「あら、まだ出てなかったの」
父
「……行ってきます」
母
「さあ、たかしも早くバナナ食べて、遅刻しないよう早めに出なきゃ」
たかし
「…………ごめんよ、父ちゃん」
――外――
父
「……ああ……腹減った」
たかし
「父ちゃん!」
父
「ん」
たかし
「ダメだ、母ちゃん今日もゴハン用意してくれなかった」
父
「………」
たかし
「……今日も400円で大丈夫?」
父
「……うん」
たかし
「困ったら言ってよ、お小遣い、ちょっとくらいならあるからさ」
父
「……大丈夫だ。ありがとな、たかし」
たかし
「……うん」
悲しくなっちゃった