作者からの挨拶
かざねこ
「ええ、これからコントを適当に書いたり投げ出したりする予定のかざねこでございます。脚本調の書き方なんぞあんまりした事ないのでわかりませんが、ほぼ自己満足の境地でお送りしようかと思っています。一人の挨拶だとツッコミがないので、ボケてもスースーする感じが実に切なく、この調子で続けていけば、いずれ壁に出会うのは確信ですが、いいでしょう、適当ですよ、ええ。一応これも『作者からの挨拶』と名目のコントのつもりで書いてますので」
そっと右足がドブにハマる。
かざねこ
「ええ、こんな切ない状況にもなっちゃう訳です。ドブがある時点で、お前どこで話してんだよ、と思われると思いますが、大丈夫です。設定の上では、裏路地をウロチョロしながら話をしているだけなので、不審者として通報されるのは割と低めです。そしてこう説明している間にもジュクジュクと靴にドブ水が流れ込んでいるのでそろそろ足を引き抜きましょうか」
かざねこはドブにハマった右足を引き抜いた。
同時、すぐ後ろで少年が鼻水流しながら見ていたのに気付く。
かざねこ
「……おはよう。学校はいいのかな」
少年
「きょうお休み」
かざねこ
「そうか、じゃあ気を付けて帰るのだぞ」
少年
「おじさん、ふしんしゃなの?」
かざねこ
「いいや違うよ。不審者じゃないよ。ちょっと足がドブにハマっちゃっただけなんだ」
少年
「ふーん……。じゃあへんたいだ!」
そして少年は「へんたいへんたい」と叫びながら大通りへと出ていく。
かざねこが伸ばした右手がなんだかちょっぴり切ない。
しかしまあ、実際彼は変態であるのは紛れもない事実であるので、誰も弁護する事は無いだろう。
かざねこ
「その文章も私自信が書いているのだから、悲しい限り。では、挨拶はこれまでと」
かざねこは右足が汚らしい足音を鳴らしながら帰路につく。
がんばれ変態、負けるな変態。
かざねこ
「自虐はこの程度で勘弁を……」