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傾国の悪役令嬢

悪役令嬢のボディビルディング

作者: ぺいた
掲載日:2026/03/22

「悪役令嬢の序列社会」

https://ncode.syosetu.com/n9825lx/


の続編です。そちらから読んでもらえるとうれしいです。

「クラウディア様? どうかなさいました?」


え? 


おかしいわ、私はたった今、ドラゴンに嚙みつかれて死んだはず…

なのに生きてる? というか、なにこの平和な風景?


ここは…王立学園のサロン?

そして目の前にはお友達のジェーン侯爵令嬢。


「あ、あの…ごめんなさい、ちょっとぼーっとしてしまいました、

何のお話でしたかしら?」


「あらあら、わたくしの声も小さかったのかもしれませんわね。

クラウディア様は、心配性だとお伝えしたんですわ」


「心配性…」


「マチルダ様は、貴重な聖魔法の使い手だから、国王陛下も

丁重に取り図るようにおっしゃってましたし、殿下は

そのお言葉に忠実に従っているだけだと思いますわ」


このセリフにも聞き覚えが…。


「そ、それにしたって…、あの、こう毎日というのは、図々しく

はないですかしら? 少しは遠慮してもよくはございません?」


前に言った気がするセリフを言ってみる。


「でしたら、わたくしがマチルダ様に『少しは遠慮なさい』と

忠告してまいりましょうか」


わあ、やっぱりだ。この会話、一緒だ。


「い、いえ、それはいけないわ。そんなことしたら断罪になるわ」


「? クラウディア様のお話は、たまに理解が追い付かないことが

ございますわね…」


ちょっとはしょったせいか、セリフもちょっと変わったけど、

だいたい一緒だし…。


これは…時間が…巻き戻ってる!?



よっしゃあ! やり直せる! 

そういうことなら、ここから軌道修正するわよ!


まずは愚痴を言うのをやめなきゃ! この愚痴のせいで、

なんやかんやでこの国が滅びてしまうのだもの。


でも聖女のマチルダ様と王太子のアラン様が仲良しなのは

やっぱりむかつく。アラン様は私の婚約者なのに!


この気持ちの行き場をどうしたらいいの…


……


やっぱり、運動よね!

体を動かして発散させるしかないわ! 中学生男子のように!

へろへろになるまで体を動かせば、よけいな感情を抱く余裕も

なくなるはず! 脳みそを筋肉にするのよ!


「ジェーン様…わたくし、体を思いっきり動かしたい気分

なのですの。ダンスの練習につきあってくださらない?」


「え? ええ、かまいませんけれど…」


男役のほうも覚えていてよかった。クラウディアは

何も考えずひたすら踊った。


「ちょ…も…むり…休ませて…くださいまし…」


「ああ、ごめんなさいね、つい夢中になって…つきあってくださって

ありがとうございます」


ジェーンと別れたあとも、体力がありあまっていた。

「こんなんじゃ全然足りない! もっと、もっと! 脳に筋肉を!」

クラウディアは、部屋に帰って腹筋をした。腕立て伏せもした。

スクワットもした。夜は疲れ果てて泥のように眠った。

それを毎日繰り返すと、腹筋が割れた。


「おなかが固くなった!!なにこれ、たのしーい!」


筋肉ができ始めると、楽しくてしょうがなかった。

運動すればするだけ筋肉がつく。筋肉は裏切らない!


あまりに嬉しかったので、学園の令嬢や令息にもすすめた。


悩み多き思春期の男女である、次々と筋肉に夢中になった。


「筋肉すごい!」

「気持ちが明るくなる!」

「嫌なこと忘れる!」


やがてその流れは平民にも伝わり、国中でボディビルの波が

広がった。


「筋肉には鶏むね肉と卵とブロッコリーよ!」


クラウディアは、もとは日本に生まれた転生人なので、ハンパに

知識があった。効率よく筋肉をつけられることがわかった国民は

ブロッコリーの生産と養鶏に力を入れた。とくに鶏は、いくら育てても

足りなくなるので、大規模の養鶏場を次々に建て、大量生産した。


社交界はボディビルダーたちの披露の場になった。

「キレてるよー!」

「仕上がってるよー!」

「腹筋板チョコー!」


クラウディアも、みっちみちの上腕二頭筋を見せびらかすような

ドレスを着て、壇上のマッチョたちに、掛け声をあげて楽しんだ。


「ああなんか、王太子のこととかどうでもよくなってきたわ…

ここにいるマッチョのほうがかっこいいし…この筋肉さえあれば、

追放されても、どこかの土地を自分で開墾して生きていけそう…」


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そのころ、鶏は神に祈っていた。


「神様、今日も同胞が肉にされました。生きるための食料なら

まだしも、筋肉のためなのです。牛や豚や羊には目もくれず、

自分たちだけを大量に…! これはもはや、イジメでは

ないでしょうか! どうか人間に復讐させてください!」


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その純粋な祈りは神に届いた。


飛べない鶏に飛べる力を。

人間を噛みちぎることができるような能力を。


養鶏所の鶏が次々に大きなドラゴンに変わり、人々を襲い始めた。

逃げ惑う人々。筋肉はあったが、大量のドラゴンの前にはなすすべもなく、

国は滅びてしまったのであった。

なんかパターンができたから、また次は違う方向で

国を滅ぼそうと思います。

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