第4.5話 Die fünf imaginären Freunde von Aya
教室の隅。窓から差し込む午後の光の中、アヤは机に向かって座っていた。
「ねえ、ふうちゃん、今日の数学の授業難しくなかった?」
教室では、アヤの声だけが響いている。
もちろん、返答はない。
だが、アヤにははっきり聞こえていた。
「え、やっぱアヤもそう思う?やっぱヘルナンデス先生わかりにくいよね。今度文句言おうかな。」
「こらこら、ふうちゃん、先生多分今日調子悪かっただけだよ。いつもはあんなグダグダじゃないじゃん?」
「いや、まあ。それは一理あるけどさ。」
「よっちーは?よっちーはどう思った?」
アヤは聞く。
今聞こえる音は、空調の音、下校中の生徒の音、そして遠くのサイレンの音。
「いや、ヘルナンデス先生よりも歴史の…ジョンソン先生?が一番わからなかった。」
「いや、それはよっちーがバカなだけだよー」
「み、みっちゃん、そんなこと言わないで…」
「いやいや、いっちゃん、よっちーにはこれくらい言わないとわからないよ。」
「そ、そうかな…」
アヤは、にやにやした表情で、一人で教室で笑っている。
ここにいるのは、彼女一人だけ。
避けられ、叩かれ、無視された、か弱い女の子。一人だけ。
だが、それでもかまわない。
彼女には、五人の仲の良い友達がいるから。
周りの音が静かになった。
時間は、4:40。学校が終わってから、70分が経っていた。
「やばい、もうこんな時間たってたの?」
アヤは急いで携帯を確認すると、親からたくさんメッセージが届いているのに気が付いた。
「あちゃー心配かけちゃったね、アヤっち。」
「これは帰ってからが大変だよー」
「うぅぅ…」
アヤは荷物を持って、無人の教室を一人で出た。
「ねえみんな、今から帰るとするなら、どこが一番安全かな。」
アヤは聞く。
「うーん、やっぱ裏門っしょ。そっちの方が家に近いし。」
と、みっちゃん。
「賛成。そっちだとあんまり人もいないしね。」
と、ふうちゃん。
「あ、あと、買い食いもできるから…言い訳…できる。」
と、いっちゃん。
「やっぱ食べるなら、タピオカだよねー」
と、よっちー。
「いや、タピオカは飲むだろ、普通。」
と、ぷーちゃん。
「うふふ、みんな、面白いね!私、やっぱり、最近が一番楽しい!」
アヤは笑みを浮かべる。
しかし、瞳の奥に映っていたのは、孤独だった。




