チートなんてない!
「おお・・・知らない天井だ・・・」
彼女は目を開きそうつぶやいた。
「目が覚めた?だったら、さっさと起きてくれる?」
ベッドサイドには赤髪の女の子が立っている。
「赤毛の・・・もしかしてアンって名前?」
「何言ってるの?あたしはアンヌよ。」
「赤毛のアンヌ? ・・・・・・っプッ」 何となくおかしくて笑ったら頭をはたかれた!
「失礼なやつね!」
「ごめん」(でも何がおかしかったんだろ?)
「もしかして、なんかの同盟に入ってたりする?」(同盟ってなんだよ!)
またはたかれた!
「訳わかんないこと言うな!」 「それよりあんたの名前は?!」
?
「わたし?」
「そう!」
(わたしは・・・・・・)「あれ?」
「何?」
「わたしは・・・・・」 (うーん・・・・・・まったく名前が出てこないぞ?)
赤毛のアンヌは、いらだってこう言った。
「あんたは黒髪だから「クロ」ね!」
「クロ!朝の奉仕の時間だから、あたしについてきな!」
最初の記憶は教会の朝奉仕だ。
私たち孤児は、教会で朝清掃の奉仕を行う。
聖堂、まわりの廊下、礼拝堂、祭壇、聖書台などを雑巾でから拭きしたり、ほうきやモップでごみをまとめて捨てる。
シスターが厳しく見張っているので、手を抜けない。
手抜きが見つかると朝ご飯がもらえない。すると夜まで空腹でいなければならない。
朝食で隣にいる金髪の女の子に聞いてみる。
クララというそうだ。(「足が悪かったりする?」って聞いたらアンヌにはたかれた・・・)
「ねえ、あなたは孤児なの?」
「ええそうよ。あなたも孤児でしょ?」
「わからない・・・」
「じゃあ、お父さんとお母さんは?」
「わからない・・・・・・」
「じゃあ孤児なんじゃない?」
なるほど。わたしは孤児か。
「早く食べな。」とアンヌ。
「はぁーい」(定番の黒パンだ。やっぱり石のように堅いのかな?)
みんなのまねしてスープに浸して食べてみる。
堅さはともかく、まずいじゃないの!
「すごい顔」と、はす向かいの男の子。
ネロと言うそうだ。(「やっぱり犬が好きなの?」とは聞かない。わたしはアンヌから頭を守ったのだ。)
返事はせずに栄養摂取に取り組む。
顔が渋くなるのは仕方ないじゃないか。
朝食後、シスターの説話?っぽいお話があった。
神様のお話だ。
「今日はアレース様のお話です。むかしむかし、・・・」
どうやらアレース様は火の神みたいだ。みんな一生懸命聞いている。
クララに聞いてみた。(クララに聞くのが無難ぽい。身体的危険がないし・・・)
こそっと話す。 「みんなアレース様が好きみたいだね。」
こそっと返してくれた。 「アレース様の加護が頂ければ火魔法が使えるからね。一番の人気なのよ。」
火魔法が人気かぁ。またまたド定番というか、何というか・・・
何となくだが、自分は転生したのかも?
当然、そんな疑念がわいてくるが、それにしてもありふれた設定じゃない?
説話の後は、(もう説話でいいや)瞑想の時間だ。
シスターが話す。
「さあ、みなさん、アレース様のことを敬い、自らの体内のマナを高めるのです。」
次は「マナ」かぁ・・・
みんな床に思い思いに座り、目を閉じた。
そこは座禅じゃないんだ・・・
でもびっくり! みんなのおなか、ぽわっと光ってるよ!
驚きの展開だ!
「そこの黒髪!目を閉じて瞑想しなさい!」
こゎ。
はいはいやりますよ。
定番だと丹田に意識を集中するんだよね・・・・・
ん? ひからないぞ?
「ぽゎっと来ない・・・」
シスター「それは信仰心が足りないのです。先ほどの説話でもしっかり集中していませんでしたね。」とギロリ。
目力が怖いです。
「クロ!次は食器洗いだよ!」と、アンヌ。
クロ? あぁ、クロはわたしか・・・でも「クロ」はないな。
よしちょっと考えてみよう。
あ+クロ、いクロ、うクロ・・・なんかヒットしないな・・・とクロまで来たとき、なぜかヤバ目の画像が頭に浮かんだ。
だめだ! 方向転換しよう。
クロ+あ、クロい、クロう、クロえ!「クロエ」って良くないかな? なんかタイムリープとかできそう!
「ちょっと! 何ぼんやりしているのよ!」
「決めた! わたしは「クロエ」よ!」
「はぁ? 何言ってんの?」
「わたしの名前はクロエに決まりました。よろしく。」 にっこり。
アンヌ 「・・・・・・変なやつ」
ごめんよ。
イメージソング作りました。
良かったら聴いてね!
https://www.youtube.com/watch?v=nHjzGHlNB5I




