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見捨てられた姫様は国を亡ぼす資格があるらしい  作者: サチオウ
自由な旅人

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第50話 サティエル教育計画

大金を手に入れたエナメルの旅人。旅の資金は、もう十分だった。


次にどう動くべきか――最初に考え、行動を起こしたのはオフィーリアだった。


彼女はサティエルのことをエルフィリア王国に報告しており、その結果、「まずは彼女の信頼を得て親しくなること」「他の勢力に利用されぬよう見守ること」という命令を受けていた。


前者の“信頼を得る”という点については、このまま共に行動を続けていれば問題ないだろう。


だが、後者が心配だった。


サティエルは素直すぎるし、世間のこともよく知らないように見える。

また“雷光の翼”のような悪意で近づいてくる存在がいれば、簡単に利用されてしまうかもしれない。


まずは、道徳を学んでもらうべきか……。


オフィーリアはそう考えた。


道徳といえば、エルフに最もなじみのある「ルーナ教」の教えが適している。だが、いきなり教義を押しつけるのではなく、信者たちの中に自然に混ざり、生活の中で教えに触れてもらう方がいい。


その方針のもと、ルーナ教を信仰する村――ベッサ村に滞在できる依頼を探し始めた。


その村では、ちょうどコボルド退治の依頼が出ていた。

(※コボルド:犬のような顔を持つ二足歩行の魔物)


オフィーリアはその依頼を受けることにし、仲間のシルヴィアに話しかけた。


「シルヴィア、ちょっと話があるの」


「ん? なに?」


「両親の仇討ちのことはわかってるけど、少し別件で時間をもらえないかな」


「……まあ、いいけど。何?」


仇討ちはシルヴィアにとって大切な目的ではあるが、今やこのパーティでの活動も同じくらい重要になっていた。もともといつできるかもわからない復讐だ。多少遅れても気にはならなかった。


「サティエルのことなんだけど。あの子の強さはもう分かってると思う。でも……世間知らずというか、ちょっと危なっかしいところがあるのよ」


「うん。サティエル、私達が雷光の翼に利用されてたこと、たぶんわかってなかったよね」


「それに、“自由を探す旅”って言ってるけど、今の自分が自由だってことすら気づいてない感じ」


「そう、それ。私も気になってた」


「だからね、普通の人たちの暮らしを見せて、少しずつ理解してもらおうと思ってるの」


「なるほど……それで、具体的には?」


「まずは、ベッサ村のコボルド退治の依頼を受けて、しばらく村に滞在したい。その後、ルーナ教の本山であるトランシルの大神殿に行って、社会の規範についても教えたいと思ってるの」


「……わかった。協力する」


シルヴィアの同意を得たオフィーリアは、さっそくサティエルに話を持ちかけた。


サティエルは、特に深く考えることもなく、あっさりと了承するのであった。

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