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見捨てられた姫様は国を亡ぼす資格があるらしい  作者: サチオウ
自由な旅人

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第49話 後始末2

その後、床に倒れていたソルゲイルも目を覚ました。当然、オフィーリアの呪い《パラリシス・カース》は彼にもかかっている。


雷光の翼のメンバーたちは、シルヴィアに命じられ、ガラクタ置き場から《アースブレーカー》を探すことになった。


サティエルとシルヴィアも一緒に探索に加わるが、見つかるのは古びた剣や折れた槍ばかり。


しばらくすると、ふたりは早々に飽きてしまった。


それとは対照的に、ソルゲイルは呪いにかかりながらも、執念のようにガラクタをかき分けていた。


それが、彼のすべてだったのだろう。


 


一方、オフィーリアはダンジョンを最速で離脱し、冒険者ギルドに向かった。

アースドラゴン討伐の一報を伝え、即座に回収部隊の手配を依頼する。


幸い、ギルドの人手は十分にあり、隊の準備はすぐに整った。


それを確認すると、今度はエルフィリア王国本国へ、サティエルに関する詳細な報告書を送る。


戦闘能力、性格、判断力の観察――すべてを綴ったうえで、今後の方針について指示を仰ぐためだった。


すべての用件を済ませたオフィーリアは、準備の整った回収部隊を引き連れ、再びガリダダンジョンへ戻っていった。


結局、ガラクタ置き場から《アースブレーカー》は見つからなかった。

伝承そのものが誤りか、あるいはすでに誰かに持ち去られている可能性もある。


雷光の翼のメンバーはすっかり気落ちしていたが、ソルゲイルだけはなおも「別の場所にある」と自らを奮い立たせていた。


一方、シルヴィアは収穫を一つ手にしていた。

それはソルゲイルから得た、ある男に関する情報だった。


深紅の爪傭兵団の団長をしている男が赤い鱗の刺青をしているという。

男の名前までは覚えていなかったが、どうやら“仕事がない時は盗賊として活動している連中”とのこと。


深紅の爪傭兵団を調べれば、この男にたどり着く手がかりになるかもしれない。

エナメルの旅人にとって、意外にも雷光の翼は有益な情報源となったのだった。



オフィーリアが率いた回収部隊がダンジョンに到着すると、連結した荷車にアースドラゴンの巨体を載せて引き上げ作業を開始。


それを終えると、彼らはそのまま冒険者ギルドへと戻っていった。


アースドラゴンの引き渡しが終わると、ギルドマスターからエナメルの旅人に呼び出しがかかる。


「アースドラゴン《モーグミーズ》の討伐、誠にありがとう。君たちのおかげで、ギルドの通常運営も再開できる」


ギルドマスターは深く頭を下げた。


「君たちには《ドラゴンスレイヤー》の称号を授けよう。

それから、アースドラゴンの買取の件だが、査定は時間を要する。オークションにかけられることになるが、売上は規定に則って分配される。期待してくれ」


「ありがとうございます」


マスターは続けた。


「ところで、あれにとどめをさしたのはオフィーリア君かね?」


「いえ。ここにいる、サティエルです」


「……Eランクではなかったか?」


「ええ。けれど、確実に私より強いです」


ギルドマスターはサティエルを見つめた。


「なるほど。……あのアースドラゴンの頭には大穴が開いていたが、あれはいったいどうやった?」


「魔法で攻撃しました」


「……あれほどの魔法、私は知らんのだが……どういう魔法だ?」


「おばあちゃんと一緒に作った魔法です」


「オリジナル……!? そのおばあさんとは?」


その質問に、サティエルの中のエルネスタが敏感に反応した。

代わりに彼女が口を開く。


「――秘密です。それ以上は詮索しないでください」


マルムフォーシュ王国ではサティエルのいうおばあちゃん=メーディアの弟子を捜索している。少しでも手掛かりになるようなことは教えないとの判断だ。


ギルドマスターは一瞬だけ鋭い気配を感じ、驚いたように口を閉じた。


「……すまん、立ち入ったことを聞いたな。それはそうとサティエル、君にはCランクへの昇格を認めよう。本当はAランクでもよいのかもしれないがギルドの決まりでな。一気には上げられないんだ」


「ありがとうございます」



こうして、エナメルの旅人は《ドラゴンスレイヤー》の称号を得て、多額の報酬を受け取ることとなった。


それぞれの思惑が交錯する中、確かに一歩、物語は進んでいた――。

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