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見捨てられた姫様は国を亡ぼす資格があるらしい  作者: サチオウ
自由な旅人

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第37話 冒険仲間2

……そんな彼女たちを、少し離れた場所から見つめる影があった。


エルフィリア王国から派遣された諜報員・オフィーリア。エルフィリアで破壊神認定されたサティエルの監視役である。


サティエルが通常のルートを通って山を下ればゲルデン帝国に出るはずだった。だが、彼女はアルティマータで開けた穴を通ってマテトキア王国へ抜けていたのだ。


そのため、オフィーリアが山周辺の帝国各町を探してもサティエルの手がかりはなく捜索は難航していた。そんな時、となりのマテトキア王国でサイクロプスを単独で倒した者がいるとの噂を聞き、シノロ第三砦を訪れることにした。


そこで、「最近までモーブ色の髪の子供がいた」との情報を得て、周辺を探索。やがて小型化したロック鳥を発見し、もしやと思い追った先でサティエルを見つけたのだった。


それからというもの、サティエルの自由奔放な移動に苦労しながらも、彼女を尾行し続けていた。


――できれば自然な形で接触し、知り合いとして近づきたい。


そう考えていた矢先、サティエルがシルヴィアと行動を共にする様子を見て、真似してみることにした。


進行方向に先回りし、近くのゴブリンにちょっかいを出して、逃げるふりをしながらサティエルの前へ姿を現す。


「魔物に追われてるの、手伝ってくれない?」


ついてきたのはゴブリン5体。だが――


「……はい? 自分で対処してください」


隣にいたシルヴィアが驚く。


「ちょ、ちょっと、助けなくていいの?」


「たぶん、あの人強いよ。さっき、わざとゴブリンにちょっかいかけてた怪しい人なの」


――サティエルには、ろっくんの目がある。すべて見えていたのだ。


「えー、バレてたの? なーんだ」


オフィーリアはそう言って振り返り、


「ウィンドエッジ」


風の刃を飛ばし、ゴブリンたちを一瞬で倒す。


シルヴィアは警戒を強める。


「……あなた、一体何者?」


「さあ?」


しかし、サティエルが口を開いた。


「あの人、エルフィリア王国のエルフ。たぶん、私を監視してる。この前からずっとついてきてたよ」


「まさか、そこまで見抜かれてたとは……恐れ入ったね」


「ねえサティエル、この人、殺す?」


「ちょっと待って。私はただ、サティエルの“目的”を知るために監視していただけで、害を加える気はないの」


「目的? さっきまで“自由を探す旅”だったけど……今は、よくわかんないや」


「……」


この破壊神の少女は、本当にそんなあやふやな目的で動いているのか? とてつもない力を持っていながら……。


「ねえ、おねーさん。今後も監視するつもりなら、一緒に旅しない?」


「は……?」


「だって、どうせついてくるんでしょ? だったら一緒にいたほうが楽じゃない?」


まさかの提案、向こうから誘いが来るなど想像すらしていなかった。


監視と知ってなお誘ってくるなど――なんて度量の広さだ。 いや、もしかして、私程度では脅威と見なしていないのか? あり得る。彼女は破壊神なのだから。


……まあいい、これは私の望んだ展開でもある。


「なら……あなたがいいなら、お願いしよう」


それを見ていたシルヴィアが、むくれるように口を尖らせた。


「ずるーい! じゃあ、私も仲間に入れてよ!」


とりあえず、換金のため町まで一緒に行くだけのつもりだったシルヴィアも仲間に加わることになった。


――こうして、三人の旅が始まるのだった。

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