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第三話

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佐奈がものすごい力で手を引いていく。奈美は前のめりになり、今にも転んでしまいそうだ。

ふと脇を見ると、通路のコンクリートの壁に黒い染みを見つけた。

「佐奈。落ち着いて。」

「だめなの。時間制限のセールなんだ。」

けして清潔でない自治区域(スラム)だが、清掃を仕事にしている者がいて、目に見えるような汚れは、消されるはずだ。ついさっき着いた汚れでまだ清掃がすんでいないのだろうか。

それでもまだ疑問が残る。あれは血痕だった。あれだけの血痕が残っているのだから、大事件だったはずだ。見た感じそういう騒ぎは起こっていないようだ。

考え事をしているうちに肉売り場についてしまった。もうミンチが2パックしか残っていない。ほかの主婦たちが大慌てで手を伸ばす。佐奈が2つ一気に掴み取る。

周りの主婦が大騒ぎする中で、佐奈はそのうちひとつを美奈に渡した。佐奈は芯の強い人間である。一見、能天気か無神経に見える性格は周りを気にせず自分を貫く強さからくるものだ。

買い物籠に肉を入れ、先ほどの通路に戻ってみることにした。

「ねえ、佐奈ちょっと見てきていい?」

もうレジに並んでいた佐奈は、レジ待ちの人ごみの中から、顔を出した。

「うん。わかった。また後でね。」

先程の通路に戻る。不意に頭が痛くなる。空気そのものが重くなったかのような感覚。

ボーンボーッと低い音の耳鳴りがする。壁にもたれかかりながら血痕があった場所へ向かう。

「え」

不意に空気の圧迫感と耳鳴りが止んだ。血痕がなくなっている。

見間違いだったのだろうか。

再びレジに向かおうと視線を向ける。

独特の違和感が再び美奈を襲う。

道行く人の隙間から白いワンピースを着た女性がこちらを睨み付けていた。


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