洸夜と奏
〈この世は地獄である。死んだらこの苦しみから逃れられるのか、それとも生まれ変わってまた一から生が始まるのか、はたまたさらなる地獄が待ち受けているのか。死んだ後のことは誰にも分からない。〉
孤児院で暮らす奏夜と妹の奏は古ぼけた本を読んでいた。
奏「お兄ちゃん、この本なに?」
洸夜「道で拾ったんだ。分厚いし後で売ろうと思って。でもなんかオカルトくさいな、この本。死んだら無になるだけだろ。」
奏「そうかなぁ。私は輪廻転生とか信じてるよ、生まれ変わりとか!」
洸夜「そんな非科学的なこと信じるなよー。」
奏「まあどっちでもいいよ、そんなこと。もう眠いから寝よ、おやすみ。」
洸夜「ああ、おやすみ。」
2人はそれぞれ布団に入り、しばらくして奏が何か思い出したように口を開いた。
奏「ねえ、お兄ちゃん、私、何回生まれ変わってもお兄ちゃんと一緒がいい。」
洸夜「なんだよ、、だーからそういうのはやめろって。」
奏「はいはい、わかったわかった、じゃあもう寝るから。」
洸夜「ああ、また明日な。」
そうして2人は微笑みを浮かべながら眠りについた。2人で過ごす夜が最後になるとも知らずに_______