表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/33

キス2

なぜだろう?

初めてサーフィンをした日のことを思い出した。

海の上で波が来るのを待っていた。

「今だよ。」

サーフィンの先生にトンッと押されて、無我夢中にパドリングをすると、海は下の砂浜が見えるくらい透き通っていて、私と同じ方角に無数のキラキラした小魚の群れが勢いよく泳いでいた。

全然怖くない。

波で押し出される感覚を全身で受け取って、勇気を振り絞って前を向き、手を離してボードの上に両足で立つ。私がたどり着くはずの波の先には、海岸を散歩する人、海で泳ぐ人たちが小さく見えた。

波に乗るってこういう感覚なんだ。

いつもは海岸からサーフィンする人を眺めていたのに、今は逆の景色なのが不思議でたまらなくて、だけど最高に気持ち良かった。

一瞬で砂浜に辿り着いて、油断していたらボードが波と一緒に戻りそうになった。リーシュコードで強く足を引っ張られて、あせってボートを掴んで、バシャンッと身体ごとひっくり返ってしまった。溺れるかと思って焦った。


あれ?私何をしているんだろう。

オムちゃんは付き合わないと言った。

それなのにキスしている。

なんで?なんで?

待って、ここ外だよ。

さっきまでニンニク食べたよ。


私は突き放そうとオムちゃんの身体を両腕で押した。


「…っやだ!」


()(), 미안(ミアン)귀여워서(キヨウォソ) 나도(ナド) 모르게 (モルゲ)정신차려보니チョンシンチャリョボニ…」


オムちゃんが何か言ったけれど、日本語ではなかった。

たぶん2人とも正気ではなかった。


オムちゃんは私をぎゅっと抱きしめて俯いた。私も恥ずかしくて顔を上げられず、下を向いてしばらく固まっていた。


雨上がりの静かな公園は、遠くで車が通り過ぎる音が聞こえるくらい静かだ。

自分の胸の音だけが激しくドキドキと鳴っているのが分かる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ