うたた寝〜古代遺跡2階層〜
しばらくは短めになりそうです。
「「「キィィィ‼」」」
重い扉を開けるといきなり魔物が飛び出してきた。昔痛い目にあったことがあるコウモリもどきだ。厄介なことに群れている。俺はガントレットで一体ずつ攻撃しようとするが、体が小さいのと飛んでいるためなかなか当たらない。早くしないとアカネ達に追いつけなくなる。俺は焦りながらもコウモリもどきを落とそうとするが一向に当たる気配がしない。アカネ達がどこにいるかも分かっていない今使いたくなかったけれどしょうがない。
俺は左手を上に挙げ氷魔法で氷の壁を作りコウモリもどきと俺を囲む。そして右手を地面につける。俺は火魔法で氷の壁の中を全て焼き尽くす。ほとんど自爆みたいなものだが俺にはスキルがあるため効かない。十秒間火で辺りを焼き尽くし氷で消化した。(炎の周りを氷で囲い空気を遮断した。)残っているのはコウモリもどきの魔石だけだ。
俺が周りの氷の壁を殴り壊し先に進もうとすると柱の影からまた魔物が出てきた。
さすがにコウモリもどきだけじゃないよな。というかアカネ達は魔物を倒さないで先に進んだのだろうか。魔物は生け捕りにされているものでしばらく獲物を捕まえられていないので気性が荒い。
今度はスケルトン達だ。スケルトンは魔物の死体がなるとかではなくスケルトンという存在で生まれるので、魔石もしっかりある。だがスケルトン一体一体で魔石の場所が違い、魔石を破壊しないと倒せないというひどい仕様だ。倒しても魔石も貰えないため収入もないし、魔石の場所がわからずに苦戦して怪我もするしで冒険者によく嫌われている魔物だ。今回はそれが複数いるので泣きたい気分だ。
さらになぜかスケルトンの攻撃はスキルが発動しないのだ。だがスケルトン達が一箇所に固まっている今が、一気に片付けられるチャンスでもある。
だったらやることは...
「Lightning Fire‼」
俺を避けるように辺りを眩しい光と灼熱の熱風が包み込む。なぜ英語で言ったかって?理由は決まってるだろ。かっこいいからだ。そんな小学生じみた考えで言っただけだ。実を言うと魔法の発動の際になにか呪文を言わなければいけないなどは一切ない。いつもはアカネ達の前で言うといじられてしまうので抑えているのだ。アカネ達とは冒険者になる前からの仲なので離れることも難しい。だから今だけでも好き放題させてくれてもいいだろう。
魔法は見事にスケルトンの骨の中の魔石ごと全てを熱と雷の衝撃で粉砕し尽くした。だがガントレットの魔力が足りていなく魔法の威力が不十分だったようで、スケルトンが一体だけ死にぞこねていた。文字通り両足両腕の骨が粉砕され、核の魔石だけ破壊しそこねている。
もうスケルトンも攻撃が出来なさそうだし観察してみるのもいいかもしれないな。
俺は動けないスケルトンをじーっと観察した。スケルトンもこちらを見つめるばかりで動く素振りも見せない。なんだかその目は悲しげで早くとどめを刺してくれとでも言いたそうな目をしている。モンスターといえどもこうなったら可哀想になってきてしまった。
俺はスケルトンの魔石を探すことにした。スケルトンの骨を触って魔石を探した。まさか骨を触っただけで魔石の場所が分かるわけが無いと思うが一応だ。それで見つかるのなら次からのスケルトンとの戦闘は最低限ですむので分かるに越したことはないのだが。
手当り次第触っているとある部位が他の部位と比べてボコっとしていることに気づいた。背骨の真ん中らへんが他の部位よりも少しだけだが太くなっている。
本当に手触りで分かるのかよ。ってか背骨とかわかりづらすぎだって、普通の戦闘時にはもう会いたくないな。
俺は太くなっている骨を両手で掴み握り粉砕した。すると魔石のかけらが手から溢れスケルトンは消滅した。スケルトンなどのアンデット系の魔物は死ぬと何も残らない。噂では悪事を働いた人間の生まれ変わりと言われているが真相は分からない。
俺は周りを見渡すがもう魔物は出てこない。2階層はこれで大丈夫か。5階層にはどんな宝が眠っているのだろうか?誰かに取られてしまわれる前に早く回収しなければ。何か忘れているような気がしたが宝が近いことによってのわくわくは抑えられない。
俺は3階層へ進む暗い階段を下っていった。




