神様は結構いい人でした。
俺、正野 尚人の最後は悔いしか残らないような終わり方だった。
俺は高校3年生でイケメンでもないぱっとしない顔で、身長も165cmくらいの凡人だった。そして今年で卒業してどこか都会の大きい会社に就職して親から離れて自立するつもりだった。
高校は中の上くらいの普通の高校に通っていた。
だけど今年に入ってクラスの成績でもまた中から少し上で彷徨っている俺に、なぜか目をつけたいじめっ子たちが俺を急にいじめてきた。
イジメの最初はまだ優しいものだった。
水をかけられたり、物を隠されたりされる程度だった。だが受験期に入るとイジメは過激になっていき、遂にはイジメで定番の裏庭に呼び出され殴られたりもした。だけど今更親に迷惑もかけたくはないし、あと少しでこいつらとは離れれるから、と俺は我慢していた。
そして俺は裏庭で殴られていたら急に目の前が真っ暗になってしまったのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目を覚ました俺の目の前に中学生が想像するような The 神 みたいな人が立っていた。なんか白い服着てるしそれらしいひげもしっかり生えていらっしゃる。俺はそんな神様らしき人を無視して自分が置かれている状況を確かめた。
足元は真っ白い床で壁も天井も真っ白だった。俺がわけも分からずキョロキョロしていると、その神様らしき人は口を開いた。
「お主は悪いいじめっ子達に殴られて、当たりどころが悪くて死んでしまったのじゃ。」
その前にあなたはどちら様?
えっ?俺まだやりたいことあったのに死んだの?呆気なくない?
俺はその瞬間いじめっ子たちへの怒りがふつふつと湧いてきた。
あいつら絶対に...
「お主もイジメられて死んでしまったのでは心残りもあったじゃろう。だからわしはイジメで死んでしまった者を全員異世界転生させてるのじゃ。
もちろん魔法が使えるような世界もある。だからお主の好きな世界に転生するといい。
それと転生する際に”スキル”を与えるのじゃ。転生した先でもイジメられて死んでしまったら無限ループになってしまうのでな。」
俺はそこまでいじめられそうな弱男に見えるんだ?
そこまで聞いた俺は転生も悪くないと思った。俺の夢を叶えるのには魔法がある世界でもいいと思った。
いや逆に魔法が使えたほうが都合がいいかもしれない。
すっかりいじめっ子たちへの怒りを忘れ、俺は魔法のある世界へ行きたいという考えしか頭になかった。
「わかった。俺は魔法がある世界に転生したい。」
そう言うと神様らしき人はそれを言うのを分かっていたかのようにニッコリと笑った。
そして俺は意識をまた失った。毎回意識を失うのはうざいからやめてほしいなぁ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして今に至る。
気づいたら俺は草むらの上に倒れていていた。あたりを見渡すと大きな城壁と川があった。
城壁は高く奥に続いていて入り口らしきとこに沢山の人が並んでいた。
おぉ!いかにもゲームに出てきそうなファンタジーの世界って感じがする!
俺は一旦夢にまで見た世界への興奮を一旦落ち着け、今からやることを整理しようとした。
そこで俺は神様が言っていた「スキル」は何が手に入ったのだろうと思ったが、「スキル」を確認する方法がわからなかった。
困った俺は神様らしき人に聞いてみようと思ったが、それらしき人はあたりにはいない。困りきった俺はズボンのポケットに手を突っ込むと、一枚の紙が入っているのに気づきそれを取り出してみた。
それは神様らしき人からのメモだった。
『お主に伝え忘れていたことがあったのでメモを入れといたぞ。
「スキル」の確認方法じゃがその世界「ステータス表示」と言うとステータスが表示されるぞ。ステータスは自身が見せたいと思う相手と自身にしか見えないので安心するのじゃ。』
それを読んだ俺は急いでステータスを確認するための言葉を口にした。
「ステータス表示!」
そう言うと。俺の目の前に文字や数字が書いてある青い画面が現れた。
なになに・・・
『<ステータス>
マサノ ナオト
HP 100/100
パワー 175
ディフェンス 255
スピード 175
<スキル>
基礎能力上昇Ⅰ
基礎能力が上昇する。
法律貫通
自身が悪人だと認識した者へ対するこの世界の法律は無効化される。
等倍反射
自身への攻撃・魔法を2倍にして跳ね返す。 』
おぉぉっ!これもゲームのステータス画面とよく似ていてすごい・・・
いじめっ子達に少しは感謝しようかな?
そこでステータスを見ていて俺はあることを思った。
等倍反射?他者からの攻撃・魔法を反射する、ということは・・・
もしかして俺って結構強い?




