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オーク殲滅作戦2

アカネはナオトに嘘をついていた。オークから悪魔と同じような気配がするとアカは言っていない。

アカネがナオトに言う際に付け足したものだった。

アカは悪魔らしい気配に気づいても言わなかった。アカは私が無理やり契約させたことに不満を持っている。

そして契約した本人が死ぬか契約を解除すれば契約されている妖精は自由になれる。だからアカは相手が強いことを教えないで私に死んでもらいたかったのだ。


だったらなぜアカはオークが来ている事は言ってくれたのか。私に死んでほしければ言わなければあっさり死んでいたのではないか?


だけどアカはナオトのことを結構気に入っている。なのでアカはナオトには死んでほしくないのだ。


(そもそもオークが来るのは私でも気づけた。やばい気配がバンバン迫ってきて気づかないわけがない。)


なのでオークが強いと私が気づいた時、アカが舌打ちをしたのを私は聞き逃さなかった。

なんで私ってアカと契約しちゃったんだろう。

そういえばあの時はアカが...

いや、今はオークとの戦いに集中しないと。


ナオトもいるから油断したら駄目だ。私がナオトのことも守らないと。


二頭のオークは私達の元へ走ってきている。途中で道を塞いでいる木々も全てなぎ倒しながら。

あれを見るだけでも相当な強さを持っているのが分かる。

だがオーク達がこちらに付く前より先にナオトが攻撃を初めた。


「フレアブースト。」


ナオトが足元に火魔法を放ちその反動で驚異的な速さを実現させていた。

そしてオーク達の間合いに一瞬にして入った。


「フレアブーストっ!」


今度は腕の手前に火魔法を放たれ振られる腕は加速し、一頭のオークにぶち当たった。

オークは急な攻撃に反応しきれずに歩みを止め吹き飛ばされていった。

隣のオークが吹き飛ばされたことに気づいたもう一頭のオークは目の前に現れた敵に向かって炎を吹いた。


(っ‼)


オークが炎を吹くことはない。炎を吹くことができるのは竜種と炎系統の魔物だけだからだ。

これには私もアカも驚きナオトを助けに行けなかった。



***



俺は焦りすぎていた。

それほどまでに目の前に現れたオークの威圧がすごかった。

俺は恐怖していて動かない体を魔法を使いながら動かし一頭のオークに攻撃を当てた。

だがその攻撃した反動で動けないところをもう一頭のオークに攻撃されてしまった。

オークが炎を吹くなんて聞いたことがない。

いや、聞いたことがないと言うよりもオークは炎を吹かない。


真っ赤な炎が俺の視界を包み込み、


はしなかった。


(条件が満たされたためスキル【等倍反射】を発動します。)


最近は聞いていなかった声が聞こえ、炎は俺の元へは届かなかった。

そしてオークの元へと戻っていきオークのその身を焼いた。

だがオークは炎を物ともせず燃え盛る体で俺の元へと突進してきた。


さっきまで動いていなかったアカネはそれに反応した。

走って俺を庇うかのように前に立ち、大ぶりの槍を構えた。


「この一頭は私が相手をするから、ナオトはさっき飛んでいったもう一頭の方を倒しに行って。」


アカネは少し焦ったように言った。だが


「いや、アカネが弱ってる方と戦ったほうがいい。アカネが俺より強いのは分かってるけど女の子にだけ無理はさせられないからな。」


俺はそう断りアカネを押しのけた。アカネが何か言っているようだが俺が無視していると諦めたかのように吹き飛んでいったオークの方へと行った。


「これで自由にやれるな。前の借りは返させてもらうぞ。アクアチェーンソー。」


俺は静かに言い放ち左手を開きそのまわりに水の刃をまとわせた。オークは勢いを落とさずに突進してきたが、俺はそれを気にせず左手を後ろに引いた。

そして腰を低くし左足を後ろに引き、


「フレアブースト。」


走る。火魔法の反動により音速に近い速さでオークに近づいた。オークも突進を続けているのでそのままぶつかれば勢いで俺は死ぬ。

だが俺はそのまま走り、左手をオークの顔目掛けて突き出す。オークは突進を急には止められず回転する水の刃へと頭から突っ込んだ。


「グッ⁉」


だがオークの頭は思っている以上に硬かったためトドメをさしきれず、勢いは止まらずに俺の体へと衝撃が伝わった。俺がここで下がったら勝ち目はどっと低くなる。俺はその場で踏ん張り、オークとの力比べが始まった。こうなってしまえばオークが力尽きるか、俺がやられるかの二パターンしか結末はなくなる。

しかし俺がオークとまともに力比べをして勝てるはずがない。少ししたら俺のほうが先に力尽きてやられてしまう。なのでまともにはやらない。


「そんな苛ついてると頭に血が上るぞ?」


少し格好つけながら俺は右手を左手に添えた。そして火魔法を使い左手の水の刃を熱した。


「グガァァァァァ!」


回転する水の刃は熱く、オークの頭をも熱した。

オークは頭が煮立っていく苦しみに耐えきれずうめき足を引いた。

だが俺はそこで逃さない。右手でオークの首を掴み、そのままオークの体をこちらに寄せた。

オークは逃げられずに地獄のような苦しみを味わうだけだった。


これって少しひどすぎかな?魔物とはいえこっちの心も痛くなってくるな。


しばらくし急にオークは呻くのをやめた。ここで急に静になるのは逆に恐怖を覚えるものだ。

オークが全く動かなくなったのを確認し頭に突き刺している左手を抜いた。

するとオークの頭から大量の煙が出てきた。オークの体液が熱くなり全部蒸気になってしまったのだろう。


そうだっ!一応強化個体だし魔石も回収しないと倒した証拠にはならない!


俺は急ぎオークの体から魔石を取り出そうとした。だがオークの体は硬い上に俺は体を解体できるほどのナイフも持っていない。

魔石を回収するのはアカネに任せないと駄目かな?全部アカネに任せっきりな気が...

こんな男は頼りなさすぎるなぁ。


そしてさっき言ったキザっぽいセリフを思い出し、恥ずかしくなってしまった。

アカネがこの場にいなくて本当に良かった。この世界でも黒歴史を作りたくはないからな。


そういえばアカネにもう一頭のオークを任せちゃったけど大丈夫かな?多少ダメージを受けていたとはいえ悪魔に近い力を宿しているオークだ。アカネにはアカもついているけれど心配だ。


俺はアカネの元へと走った。

そんな俺の目の前に広がっていた光景は、オークが綺麗に胴体から二つに斬られその目の前に立っている血まみれのアカネの姿だった。


アカネは傷一つなく体についている血も全て返り血だろう。

あのオークの体は硬いのにそれを感じさせないほどのきれいな断面だった。


「一応聞いとくけど怪我はない?」


本当に一応聞いてみた。


「私は大丈夫だけどナオトは怪我ないの?」


「俺は大丈夫だよ。アカネは怪我がないんだったらお願いがあるんだけど、いい?」


「いいよ。」


迷う素振りもなくそう言ってくれた。


「俺が倒したオークの魔石を取って欲しいんだけど。倒した証拠として欲しいから。」


「分かったよ。私が倒したオークの魔石はもう取ってあるから。」


俺とアカネは俺が倒したオークの死体へと向かった。

そしてオークの死体を見たアカネは俺へ蔑んだ目を向けていた。


「魔物とはいえ流石にこれは可愛そうだよ。体の血液を全て蒸発させるなんてどうやったのか聞きたいよ。ナオトには人の心がなかったの?」


おっしゃるとおり。ぐうの音も出ない。


「はい、これしか方法がなかったとはいえ、俺も反省してます。」


「だったらいいわ。」


なんとかアカネに許して貰えた。アカネは槍でオークの死体を胴から半分に斬った。一瞬でだ。

分かっていたとはいえ、あまりの衝撃にしばらく固まってしまっている間にアカネはオークの魔石を回収した。


「ねえナオト。オークの魔石って一個は私が貰っちゃっていい?」


アカネが片手に魔石を持ちながら聞いてきた。


「もちろんいいけど。売るの?」


「うんうん。違うよ。アムッ。」


そう言いアカネは持っていた魔石を口に入れた。そして咀嚼している。


魔石って食べれるものなの?硬くないの?


「オーグどはいえ悪魔に近くなっでるがらがゴグがあっで美味ひぃ。」


オークの魔石は美味しいらしい。魔石を味わい(?)ながら言っている。


「魔石って食べて良いものなの?」


「ゴクッ。ん?普通は駄目だからナオトは真似しちゃ駄目だからね。死んじゃうかもよ?私は特別だから。」


そう胸を張って言われてしまった。エッヘンと聞こえてきそうだ。

特別って何がだよ。説明になってないような。アカネって本当に俺と同じ転生者なの?


俺はそんな疑問を改めてアカネに持った。

次の投稿は二週間ほど間が空きます。

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