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オーク殲滅作戦

今回はしっかりと疲れがとれた。

やっぱり床で寝るもんじゃないな。今は何時だ?4時?早めに目が覚めちゃったな。

アカネはまだ起きてないだろうし待ってるか。


俺は部屋から出てアカネが起きてくるのを待っていた。


「ナオト起きてよ、起きてってば。こうなったら...」


そう話しているのが聞こえたすぐ後に、俺の腹に何かの衝撃が走った。


「うっっ‼」


「あっやっと起きた。なんで私の部屋の前で熟睡してたの?」


俺はついうっかりアカネの部屋の前で寝てしまったようだ。

結構ご立腹でいらっしゃる。

それにしても急に腹を殴るのはいかがなことかと。腹が痛くて息が辛いぃぃぃ。


「ごめん、アガネ。いづおぎだの?(いつ起きたの?)」


息が辛くてまともに喋れない。

アカネはまだ怒ってるようだがそこはしっかり答えてくれた。


「たった今よ。待たせて悪かったわね。」


相当根に持ってる。ここはしっかり謝らないといけないやつだぁ。


「それについては大変申し訳ありません。」


「今度からは私の部屋の前で寝たりなんかしないでね?結構ビビったんだから。」


アカネは短い髪をいじりながら答えた。

ツンデレかな?今頃流行らなそうだなぁ。


そんなことを考えていたらなぜかまたアカネに腹を殴られた。

それもさっきより強めの。


「それより早く行かないとみんなが待ってると思うよ。」


アカネの言うとおりだな。早く行かないと先に行かれるかもしれないし。


俺とアカネは宿を出てオークの森へと急いだ。ちなみにアカネの防具はまだ出来ていない。だから危ない時は俺が守るのだ。


俺とアカネはオークの森へと何の問題もなくついた。森の前には50人程度の冒険者が集まっていた。

全員すでに仲良くなっているようでワチャワチャしている。


「死にかけの目撃者さんよ。遅いぞ。死んじまったのかと思ったぜ。」


その中で指揮をとるらしき冒険者の男に話しかけられた。というよりからかわれた。

防具も俺より少なく武器はロングソードだけだ。

こいつ後で覚えてろよ。そんな装備じゃ痛い目合うぞ。

アカネは知らんぷりしている。


「よしっ、みんな集まったところで今回の目的を伝える。今回はここで現れたと見られるオークの強化個体を殲滅することが目的だ。この強化個体は魔法に耐性があり効き目がまったくないそうだ。オークを見つけ次第仲間を呼んで速やかに討伐するように。それと一番重要なことがある。ここでは悪魔の目撃情報も出ている。もし悪魔と出会ったら逃げるな。被害を最小限にするために囮になれ。分かったな。」


それを聞いた途端冒険者達の間に沈黙が走った。

オークの強化個体の特徴もあると思うが何よりも悪魔に出会ったら囮になれということの衝撃が大きい。


「どういう意味だ!俺たちに死ねっていうのか⁉」


装備をしっかり着込んでいるが細身の男がそう声を上げた。


「そういうことだ。何よりももし悪魔がこの森にいるのなら、この森から出させないようさせるしかねぇ。そして俺たちに犠牲が少なく無事に帰るためには一人でも囮がいたほうが生存率が高い。家族がいるやつは別れはすませてるよな?」


この場にいる冒険者に家族はいないようだった。今度は誰も口を開かなかった。


「大丈夫なようだな。じゃぁ中に入るぞ。おい、死にかけの目撃者。」


「はい。じゃなくて俺のことはナオトって呼んでくださいよ。」


ここで釘を刺さないと一生死にかけの目撃者扱いになってしまう。


「どこでオークを見かけたか案内しろ。」


「はいはい。了解しました。」


真っ先に死にそうなフラグが立ちまくってるぞ。頼むから俺の目の前で死なないでくれよ。夢に出てくると思うから。

俺たちは森の中に入ったが前来たよりも暗く、先が全く見えない。

こんなんじゃ進めないな。あれをやるか。


「ファイアトーチ。」


俺が前もやった火の玉を明かり代わりにする魔法を発動した。

だが火の玉一個だけだと明るさが足りずまだ暗い。だけど俺はまだ二個しか魔法を同時に発動できない。

もう一個火の玉を作ってしまえば俺が危ない時に他の魔法を発動できなくなってしまう。

他の冒険者は同じことが出来ないようで考えているように立っているだけだ。


「アカ、明かりになって。これは無条件でしょ?」


(了解しましたよー。これだけは無条件でしたもんねー。)


アカネがそうどこかに話しかけると森が明るくなった。いや、森全体が明るくなっているのではなく俺たちの周りが明るくなっていた。

今の話し方的に誰かに話しているかのように見えた。つまりアカネの今のは魔法ではない可能性が高い。だけど俺に仕掛けを教えてくれないっていうことは聞かないほうが良いのかな?

だけど俺の好奇心が勝ってしまった。


「アカネ。それって魔法じゃないよね?」


俺が周りの目を気にして小声で話しかけた。


「なっなんでそれを知ってるの!まさか、アカが話したの⁉」


やたらと驚かれた。そして警戒された。そんなに俺が間抜けそうに見えるのだろうか。俺ってよく過小評価されるよなぁ。そしてアカとは誰ですか?


「アカって誰?」


「あっ。」


アカネはやっちゃったって思っているのが顔に出ていた。

チャンスだ。今聞かないともう聞けない気がした。


「もしかしてだけど、それって妖精?」


アカネは足の動きを止めてしまった。

そして隠すのを諦めたかのようにため息をついた。


「今から話すのは絶対に誰にも話さないでね?いい?」


アカネに圧をかけられつい頷いてしまった。というか女の子にこう頼まれて話す男はいないだろう。


「私は妖精と契約してるの。この世界に妖精がいるんだけど数が少ないのと、人前には姿を見せないのもあって伝説上の生物になってるよね?妖精は魔法の扱いが上手で、魔法陣を描かずに魔法を使えるし効果も悪魔が使う魔法よりも大きいの。それにとても長生き。私は妖精の一人と契約して、私の手足になってもらってるの。契約した妖精には名前をつけることになっているから、私の名前からとってアカって名付けたの。アカは幻惑魔法が得意で姿を消してるのも幻惑魔法を使ってるからなの。」


なるほど。悪魔もいるから天使や妖精もいるのかなと思ってはいたけれど本当に妖精がいるとは。諸事情ってのは触れてほしくないだろうから触れないでおこう。


「話してくれてありがとう。誰にも言わないから安心しといて。」


そう言うとアカネは安心したような顔をした。アカネは本当に感情が顔に出やすいな。


「おい雑魚ナオトよ。オークと戦ったのはこの辺りか?」


話しながら歩いていたら早速目的地についたようだ。

リーダーが俺に聞いてきた。名前を呼んでくれたのは良いんだけど雑魚がついてる。

流石にこれは傷つくな。


「はい、この辺りです。」


この辺りでオークを二頭倒したけれど死体がないな。他の魔物に食べられたのか?いや、オークは共食いしないしこの森にはオークしか住んでいないはず。


「アカネこの辺りにオークの死体は見えるか?」


「この辺りにはっ⁉」


アカネが急に途中で話すのをやめた。アカネの顔が険しくなっている。


「ナオト、オークが二頭こっちに向かってきてるってアカが。それにアカの言う通りならこのオーク達は強化個体じゃすまない強さだって。例えばだけど...」


アカネは言うのを一瞬ためらった。なぜそこでためらうのだろうか。


「悪魔と同じような気配がオークからするってアカから...」


アカネがそう言った瞬間、冒険者たちは絶望した表情になった。

誰も一言も喋らない。


あの時のオークより強くなっている⁉あの時でさえ死にかけたのにそれで無事に帰れるのか?

悪魔と出会ったら出会った人が囮になって他は逃げろ。

さっきあいつが放った言葉が心に残っている。

あの時死にそうになった恐怖が心にへばりついている。

足が思うように動かせない。だがここで突っ立ったままではどのみち死ぬ。

アカが言うことが間違っている可能性もある。そもそも悪魔の気配など分かるわけもない。大丈夫だ。そう自分に言い聞かせる。

だけれどこの冒険者達がここにいればもし俺が攻撃を受けた時にスキルに気づかれてしまうかもしれない。


「ここは俺が囮になる。お前らはギルドに報告しに行け!アカネはどうする?」


だから俺が囮になることで他の冒険者を逃がす。

他の冒険者達が俺の言う通りに走って逃げていった。


「ナオトが怪我をした時にナオトは治癒魔法使えないでしょ?私は強いから大丈夫だよ。」


アカネはそう言い俺と一緒にその場に残った。

そしてすぐに前方にオーク二頭がこちらに向かって走ってくるのが確認できた。

走ってくるオークの背中から大きな真紅の羽が生えているのが遠目に見えた瞬間、アカネの言っていたことが本当だったと理解し悪あがきをする準備をした。

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