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四話 零次の魔法

「…違う。……これも違う!」



太陽の光がちょうど真上から差し始め

た頃。零次はレビィから渡された本に記

された魔法を一つずつ試していった。




この本を読んだ限り、魔法を使うにはそ

の魔法を強くイメージすること。そし

て、一部を除いて詠唱を必要とするもの

がある。

火や水などを発生させる魔法は詠唱が必

要でその発生させる物質の温度や感触、

色、臭いなどそれに関することを強くイ

メージしないといけないらしい。けれど

試すこと30種類以上、全く何も起こらない。ホントに俺なんかが魔法なんて使え

るのか?なんだか馬鹿らしくなってき

た。と言ってもレビィさんを起こすのは

怖いし、他に誰も聞く人なんていない。

どうしたものか…。



零次は半分諦めたようにペラペラとペー

ジをめくっていった。



「ん? これって…。」



それは昼の暑さに耐えきれず、ページを

早くめくって生まれた風で涼んでいたと

きに気がついた。



「ノーマルアビリティ…?」



零次がこれまで試した魔法のページの左

上には『ノーマルアビリティ』と記され

てあった。



さらにページを勧めていくと次に『スペ

シャルアビリティ』、そして本の残り5

分の一といったところには



「シークレット…アビリティ…。なんだ

これ? どの魔法のページにもこの三つ

のうちのどれが載ってある。これは…ラ

ンク? みたいなものか? 

…もしかして!」



レビィさんは俺に言った。異世界から

召喚された人は強い力を持っていると…。



もしもこれが魔法のランクだとしたら、

俺が使えるのはこのシークレットアビリ

ティの方なんじゃないか?



そう考えついた零次は早速、シークレ

ットアビリティと乗ってあるページから

魔法を試していった。



試すこと7種類目。



「えーと、次は消滅魔法か。詠唱は不

要。一つの物体を小さな粉状に分解し、

それを大気中に吹き飛ばすイメージ

か…。何を対象にしよう…この岩でいいか。」



零次は先ほどレビィの腰掛けていた岩を

対象にイメージを働かせた。



粉状、粉状…この岩を砂ぐらいか?それ

ぐら小さく分解…。そしてそれを吹き飛

ばす!



すると今まで全く見られなかった。魔法

の効果が働いた。


それは一瞬岩が粉状になったかと思った

途端、大気中に吹き飛んだというより吸

い込まれるように、サーっと音を出し消 えていった。



「ウォ?!? お!! できた!

ホントに!

………ほんの少しだけど…。」



猿のような歓喜を挙げたのも数秒のこと

で零次はすぐに冷静な態度にかえった。



なぜなら、零次の言葉どおり消滅したの

は岩がの縦と横の幅が一センチいくかい

かないかぐらいのほんの少しの面積であ

ったからだった。



「でも…やった! 俺にも使えた!」



いや、ホントに使えなかったらレビィさ

んにどんな目に遭っていただろう…。



不安続きの零次の心に一つの安堵が生ま

れ、もう一度喜びの声を上げさせたのだ

った。










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