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二話 出発

破けた服でまだ使えそうな部分を隠すと

こもなかったが一応腰に巻いた。



「…レ、レビィさん…?

ところでこの死体みたいなのはなんで

すか? まさかホントに死体じゃ…。」



「死体?

まあ…似たような物かしら。

よく見てみなさい。一人一人に欠けた 

とこがあるでしょ?」



欠けたとこ? 零次は暗闇に少し慣れて

きた目で一人一人、横たわっている人の

体を探っていった。


ホントだ…この二十代男性の人は目から

上の頭部がない。隣の人は腹部の右中央

部分にぽっかりと穴が空いている。奥の

人は…下半身自体が欠けていた。



「……」



目の前に広がるおぞましい光景にせっか

く震えの収まっていた足がすくみ、尻餅

をついてしまった。



「安心しなさい。死んでるわけではない

の。どうしてか私が別世界から召喚させ

た物は全部何か欠けてしまって、生物と

して機能しなくなるの…。でも、貴方は

失った物がそこだったから助かったのか

もね。自分の運に感謝することね。」



零次はレビィの言葉に、はぁ…とだけ生半可

な返事を返した。



レビィさんによるとこの横たわった人た

ちはこの世界に転移することに失敗し、

生命が保たれたまま維持されているらし

い。とてもこの状況を見て生きているな

んて信じられないが、腐敗臭らしき臭い

もしない。そして俺がレビィさんの願い

を叶えられたら俺もこの人達も元の体で

日本に帰してやると言った。



「さぁ!

いつまでそこにジッとしてるの! 

ついてきなさい。」



「えっ、あ、はい…!」



レビィの圧に根負けし、零次はゆっくり

と慎重にレビィの後について行った。




暗闇の中を前を行く白髪だけを頼りに必

死に付いていく。このまま俺はどうなっ

てしまう

のだろう。体は元に戻るのだろうか…日

本に帰れるのだろうか…。 浮かび上が

る疑念が零次の心をより不安へと誘って

くる。

けれど今はレビィの後に付いていく他な

かった。






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