???
……。
…………。
――の場合は、そもそもこういう生活になる可能性自体がほぼない。未確認の要素が出た場合のために、ここで分岐を保留。
次。ここが俺には見えてないだけで、ゲームのような世界である可能性。
この場合は、現段階で確認の方法がない。この先、別の町の様子などを含めてさらに検討を。ここで分岐を保留。
可能性として前もって考えられるのは、今のところここまでか。
結局どれも、ほぼ間違いないとは言えるようなレベルじゃない。
すべてはこれから次第……。でも、かなり高い可能性として、現段階で言えることがある。
“この国は、上木翔が元居た世界と同じ形の経済で成り立ってはいない。”
通貨経済……そこで営まれる店という形態は、仕組みだけなら至ってシンプルだ。
でもそれは、各所での膨大な改善や、維持の努力があってこそのもの。
結局、簡単にはいかない。それを成り立たせるために、複雑な相互関係や避けられない流れがある。
そして……だからこそ、そこから振り落とされるものも存在する。
この名もない村の市場。そこに訪れる客層や、その総数はもう確認できた。
他に、様々な過去の状況や移り変わりについても、既に情報を得ている。
はっきり言う。
この村の状況で、一軒たりとも店が潰れないなんてことはありえない。
苦しい生活のまま我慢し続けたというけど、そもそも我慢できてしまったのがおかしいんだ。
もちろんそれは、想定している形の経済ならばの話。
つまり、こうして一軒も潰れず何年も経っている以上、それには何らかの理由がある。
明らかに儲かっていないのになぜか潰れない店。
ここがゲームのような世界であれば、そういうものとして納得しておけばよかった。
でもここは、少なくとも見た目上はそうじゃない。
コマンドもなければ、ステータスウィンドウもない。
魔術や魔物の存在以外は、元の世界と変わらない。
そういう世界なのに、こんな過疎地の市場で十年間もの間、店が一つも潰れないほど、通貨経済はやさしくない。
まだ見えていない何らかのものが、この世界には存在してる。
それは、俺が知る現実の何かなのか。
それとも、認識できないファンタジーな世界の力か。
この、毎日見続ける“変化する夢”も、ヒントの一つなのかもしれない。
金髪の青年が、暗い塊と戦うこの夢。
その内容は、初めて見た時と違ってきている。
廃れた集落には多少の建物が増え、青年の装備も若干ではあれ、良い物へと変わっている。
……もっとも俺が考えたところで、なんら意味はないんだけど。
結局、すべてはこれからの上木翔次第だ。
他の町で得られるものに期待しよう。
あ……その前に一つ、気になることがあるんだ。
そこだけは、確認していってほしいな……――。
みなさまここまで読んでいただきありがとうございます。らいずです。
これにて、この作品の一巻にあたる部分が終了となります。
この先も構成は考えていて、引き続きマリーやアンシアの心情や視点を追いつつ……とある地点から、アンシアのルートへ。つまり、前作とは完全に違うお話に入る予定でいます。
そのさらにあとには、他のヒロインのルートも……などと考えています。
しかしながら、先の長い話で……。
実をいうと、私自身が誘導しているせいもあると思うのですが、この作品にはブクマもコメントもつかず、このまま続けて需要があるのか、かなり不安もあります。
よろしければ、応援いただければと思います。
続きなのですが、実は小説一巻分程度のお話で、書きたいものがたくさん溜まってきたりもしておりまして。
一度そっちを……なんていう気持ちもあります。
しかし、何かは書いていくと思います。
この作品も、間が空いたとしても書き続けたいです。
もしよかったら、今後とも私の作品をよろしくお願いします。
それではまたどこかで!




