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俺たちは外に出た。


そして家の横を通って道路に向かおうとしたとき、前をゆくとしやがぴたりとその足を止めた。


そこには窓があり、割れた窓から中の様子がよく見えた。


真琴がいてその先に青白い中年男がいる。


俺たちは真琴を斜め後ろから見るような形になっていた。


としやは動かなかった。


俺もその場から動かなかった。


気付けば青白かった男が、今はその全身が真っ赤に染まっていた。


真琴が言った。


「本性を現したわね、この化け物。それにしても本当にすごいわね、その霊力。元は人並みの力しかなかったはずなのに、五十年以上も一時も休まずに自分の霊力を高め続けて、ここまで強くしたのね。こんなやつがいるなんて、思ってもみなかったわ。その執念だけなら、充分尊敬に値するわね。使い方は完全に間違っているけど」


男が言った。


生きた人間が発することは不可能なほどに、やけに響く声で。


「あの子は私の子供だ。死んでからも私のものなんだ。それなのにあの世に送ってしまうなんて。おまえ、許さないぞ。絶対に許さない」


としやが唾を飲む音が聞こえた。


真琴が言った。


「ふん。許さないと言うなら、いったいどうすると言うのよ」


「殺してやる。おまえなんか殺してやる」

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