表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/43

36

真琴はそう言うと、何かをぶつぶつと呟き始めた。


それはかなり小さな声の上に、どうやら現代の日本語ではないようで、俺には何を言っているのかさっぱりだった。


単語の一つすら聞き取れなかった。


そしてしばらくすると真琴が手を離して立ち上がった。


「終わったわよ」


「えっ、もうですか」


「そう。あの子は行くべきところへいったわ。もう二度と現世には戻ってはこないでしょう。それじゃあやることはやったし、私はもう高知に帰らないと。ほおっておけない姉がいるしね」


真琴は部屋を出て階段を降りた。


ついて降りると、としやが下で待っていた。


天野真琴の除霊。


ちょっと前のとしやなら見逃したら一生後悔するであろうことを、自ら見ることを放棄したのだ。


「……」


俺は何も言えなかった。


真琴が軽く微笑むと、としやの肩を叩いた。


そして真琴は家を出ようとしたが、不意に立ち止まった。


そして何かを見ていた。


そこに何かがいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ