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「君がとりつかれている人ね。姉のさとりが大変失礼をしました。私が天野真琴です。よろしく」



顔を洗い、一応治療もした。


目の前にその顔がもれなく腫れ上がり、絆創膏だらけのさとりが座っていた。


その隣に座るのが妹である天野真琴だ。


真琴が言った。


「うん。子供の霊がついているわね。それも右手だけ。姉がもう言ったとは思うけど」


「はい」


「状況がわかっていないでしょうから。説明するわね。私たち天野家は代々、拝み屋とかそう言ったことを何百年にもわたってやってきた家系なの。本家は犬神の血筋だけど、分家の私たちはちょっと違うけどね。それでそういった能力は遺伝するのか、私たちの家系は何人もの拝み屋とか霊能者を生み出してきたの。でも全員に遺伝するわけではないの。その能力が生まれつき薄い人もいるの。ここにいる私の姉がそうだけど」


「でもこの人は、子供の右手がとりついていると言い当てましたけど」


真琴が軽く右手を上げた。


「それについては後で説明するわね。話を続けるわよ。いい?」


「はい」


「どうぞ」


「で、姉も子供のころからそれなりの修行のしたんだけど、姉の拝み屋としての能力は、結局開花することはなかったわ。そこに私が生まれた。姉が生まれて十五年も後のことだけど。自分で言うのもなんだけど、私には生まれつきの才能があった。それを修行で底上げしたら、それなりの能力を得たと自負しているわ。それで天野家の次期当主になることが決まったんだけど……」


「……けど」


「姉にはそれが許せなかったのね。ことあるごとに反発し、余計なことをさんざんしたわ。それでもやってはいけないことは、やらなかったんだけどね。半年前に、ついにね」

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