第1章 第3話 魔物狩り
食事を終えナイトとエドガーはギルドでCランクのちょうど良さそうなクエストを探していた。
基本E.Dランクには魔物の討伐クエストはなくあったとしても誰でも倒せるようなスライムやゴブリンなどしかいない、なのでCランクからやっとちゃんとした討伐クエストを受けられるのだ。
「このラッティーラビット1体の討伐なんかどうですか? 報酬は銀貨10枚、なかなか良いクエストじゃないですか」
「何言ってんだお前ラッティーラビットは見た目は可愛いが、あいつ本気を出すと足で人の体を易々と貫いてくる獰猛な奴だぞ? Bランク程の強さがないと到底敵わない相手だ」
そんなに危ない魔物をCランクに指定していいのだろうかしかもそれで銀貨10枚は安すぎるとナイトは思った。
ちなみにこの世界のお金を日本円に例えると
銅貨→100円
銀貨→1000円
大銀貨→5000円
金貨→1万円
大金貨→10万円
白金貨→100万円
という風になっている。
ナイトの所持しているお金は銅貨10枚つまり1000円だけだ。
「ラッティーラビットは無理だが、このマッキーマントっていうネズミ型の魔物なら俺達でも十二分に倒せるぞ、報酬も銀貨10枚で分割しても銀貨5枚づつだからなかなか良いクエストだろ」
「ミッ◯ーマウス?」
ナイトの頭の中には夢の国に我が物顔で住まう上半身裸の白い手袋と赤いズボンを履いている喋るネズミが浮かんでいた。
「ミ◯キーマウスはマッキーマントの上位種でAランクの魔物だかそれがどうかしたのか?」
「いや、本当にいるのかよ!?」
「何だナイト今日はやたらとテンションが高いな?」
「いや、ちょっと前世の記憶が蘇っただけです」
「十分凄いけどなそれ、まぁ何にも無いなら良いんだけどよ」
「ではそのマッキーマントのクエストを受けてさっさと帰りましょう」
「よし、じゃあこのクエストで決定だな」
クエストを発注し2人はギルドを後にした。
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ナイトとエドガー王国の東門からでて2.3キロ離れたところで大きなネズミに出会った。
ネズミと言ってもそれはネズミでは無く大きいハリネズミだった。
「こいつがマッキーマントですか、何というか愛着が湧いてきて倒そうにも倒せませんね」
「慣れちまえば後は楽だぞ、マッキーマントは基本突撃しかしてこないから、あのトゲトゲに当たらない様に注意しておけば大丈夫だ、ナイトは援護に回ってくれ! と言っても出番は無いだろうがな!」
そう言いながらエドガーはマッキーマントに剣を振り下ろしマッキーマントを倒したと思われたーーー。
ガキン! と鉄と鉄がぶつかる音が響いたそしてエドガーの手元には剣がなくなっていてナイトの目の前に刺さる。
「っく!」
エドガーは息を飲む。
マッキーマントは自分の棘をエドガーが振り下ろした剣にぶつけそして剣を弾き飛ばしたのである。
さらにマッキーマントは追い討ちをかけるべく倒れ込んだエドガーに突進しようとしていた。
いつの間にかナイトは動いていた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
雄叫びを上げながら目の前に刺さっていたエドガーの剣を手にエドガーとマッキーマントの間に割り込みそしてマッキーマントに剣を突き刺した。
「キュキィ!」
そんな声を上げマッキーマントは動かなくなった。
「す、すまない助かったまさかマッキーマントがこの棘を使うとは思わなかったものでな、油断していた。」
エドガーはマッキーマントの棘を突っつきながらそう言った。
「いえいえ、大丈夫ですよ、それよりこいつの使えるところだけ持って帰ってギルドで換金しましょう」
そうして2人は何とかクエストを終えギルドえ向かった。
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東門を抜けたすぐの曲がり角で黒いローブに黒いハードを深くまで被った男にぶつかった。
「っすみません不注意でした」
「いや、大丈夫だこちらの不注意でもあるからな……っ! 貴方はもしかしてあの人の!」
「? 何でしょうか?」
「い、いえ何でもありません、では私はこれで」
そう言い全身黒ずくめの男は門の外へ歩いて行った。
「何だったんだあいつ、ナイトお前の知り合いか?」
「あんな明らかに怪しい人俺の知り合いにはいません、そもそもこの世界に知り合いはいません、それよりも早くギルドに向かいましょう。」
ナイトとエドガーがギルドに着く頃にはちょうど日が暮れる頃だった。
ギルドの中に入り直ぐ受付へ向かった。
「すみませんクエスト完了の報告と換金をお願いします」
「はい、確かにクエスト完了してますねではこちらが報酬の銀貨10枚とマッキーマントの棘と皮の換金した額の銅貨5枚です」
「ありがとうございます」
報告をすませたナイトとエドガーは宿へと帰宅した。
今夜はナイトもやりたい事があったので別室にしてもらった。エドガーは「男だから仕方ねぇよな」と言ってきたがあえて無視させてもらった。
ナイトのやりたい事はステータスの確認と魔法創造についてだ。
もしかしてBL展開が!?
※ありません…