入寮
「ハンネローレ様、準備が整いました。出発いたしましょう」
今日は貴族院への移動日です。筆頭側仕えのコルドゥラに声をかけられ、わたくしはゆっくりと立ち上がりました。どうにも気分が沈んで仕方がありません。貴族院は楽しみな反面、とても憂鬱になる場所です。
「しばらくの間、こちらの自室とはお別れですね。ハンネローレ様の貴族院での活躍について報告を受けるのを楽しみにしていますよ」
城に残る成人の側近達と別れの挨拶をして部屋を出ると、わたくしはコルドゥラと護衛騎士見習いのハイルリーゼと共に転移陣のある部屋へ向かいます。白い石でできた床を歩けばコツコツと靴音が響きます。戦勝祝いの宴で訪れたエーレンフェストの城では春でも厚いカーペットが敷かれていましたが、ユルゲンシュミット内では暑い地域であるダンケルフェルガーでは冬でも廊下に敷物を使いません。
「寮に着いたら、すぐに採集ですね」
「採集より先に癒やしを行わなければならない……なんて事態にはなっていなければいいのですけれど」
「どうでしょう? ラザンタルクが姫様に良いところを見せようと張り切っているかもしれません」
「それはあまり考えたくありませんね」
ダンケルフェルガーでは二年生が初日に移動し、最終学年まで移動が終わると、一年生という流れで入寮します。ユルゲンシュミット内では珍しい順番のようですが、この順番で移動しなければ、低学年の者達が講義に必要な素材を採集できなくなってしまいます。
他領は高学年の者から移動して、低学年の者が採集しやすいように採集場所の魔獣を狩っておくそうですが、武寄りの者が多いダンケルフェルガーではあまりそのようなことは考慮しません。力に任せて高学年の者が低学年の調合で使う素材まで根こそぎ採集しないようにすることが大事なのです。
……ディッターの回数が多いせいで、ダンケルフェルガーでは他領に比べても回復薬が多く必要ですから。
採集場所を回復させるお祈りをローゼマイン様が教えてくださったので、素材を巡る争いは緩和されましたが、採集場所を回復させるのも簡単ではありません。かなり魔力を使うのです。御加護を増やすために皆が積極的に祈りを捧げるようになってきましたが、講義で使う魔力を考えると大変なのです。
貴族院への見送りに来てくださっているのは、お父様、お母様、お兄様とその側近達です。お兄様の文官見習いであるケントリプスと目が合ってしまいました。ニコリと微笑まれたので、わたくしも何とか微笑み返します。
……おかしな感じにならなかったでしょうか?
あまり不自然な笑顔になっていなければ良いのだけれど、と思いながら頬を押さえていると、お母様が一歩前に進み出ました。
「ハンネローレ、貴族院では順位が第一位となったダンケルフェルガーの領主候補生として恥ずかしくない振る舞いをするように気を付けるのですよ」
「はい、お母様」
春の終わりに行われた領主会議において、ランツェナーヴェ戦や貴族院の戦いにおける活躍が認められ、ダンケルフェルガーは領地の順位を第一位に上げました。クラッセンブルクを始めとした他の領地が参加しないままに戦いが終わったので、順位の変動自体は何の不思議もありません。
……他領ではかなり影響が大きいでしょうけれど。
新しくできた元王族のトラオクヴァール様の領地ブルーメフェルトが第二位、ジギスヴァルト様の領地コリンツダウムが第三位に並びました。そのため、クラッセンブルクは第四位に、ドレヴァンヒェルは第五位になり、ずいぶんと順位を落としました。
六位はアレキサンドリアです。旧アーレンスバッハが犯した反逆罪をローゼマイン様がもたらしたグルトリスハイトで相殺して、順位は据え置きになったそうです。七位にハウフレッツェ、八位がエーレンフェスト、九位がガウスビュッテル、十位がギレッセンマイアーです。ギレッセンマイアーはトラオクヴァール様がツェントを退かれたこと、それから、反逆の首謀者であったラオブルートの出身地であることなどから大きく順位を下げました。
……そうは言っても、反逆による順位の変動はすぐに元に戻るでしょう。
今年は元王族がアウブになるため、その威光で順位が高くなっていますが、来年はブルーメフェルトもコリンツダウムも他領と同じように収穫量や影響力などによって順位が決められます。おそらく同じ順位は維持できないでしょう。
「ブルーメフェルトとコリンツダウムの順位が高いのはたった一年だと考えているが、そのたった一年を笠に着る学生がいることも考えられる。彼の地の学生達があまりにも思い上がった態度を取った時に諫められるのは、ダンケルフェルガーとツェント夫妻しか貴族院にはおらぬ。故に、其方は常にツェントの剣であるダンケルフェルガーとしての誇りを忘れず……」
……わたくしは忘れられるものならば忘れたいです。
お父様の言葉の後半部分は聞き流し、わたくしはそっと息を吐きました。正直なところ、ダンケルフェルガーの領主候補生という立場が非常に重いのです。去年よりずっとずっと重いです。今年ばかりはお兄様が卒業していることを嘆きたくなりました。春に突然作られた新しい領地のことだけではありません。貴族院におけるカリキュラムの変更や、神殿と聖典に関して領主会議で出された衝撃の事実などがあって、他領の情報収集が本当に大変そうなのです。
「……お兄様ではなく、わたくしがダンケルフェルガーの代表である時に、このように大きな変革があるなんて、わたくし、間が悪すぎると思います」
「其方の間が悪いことは否定しないが、領主会議に参加することで自分から面倒を背負い込んだのは其方ではないか。母上に止められたのに強行しただろう?」
お兄様が赤い目をキラリと輝かせてからかうようにニッと笑いました。痛いところを突かれて、わたくしは少し俯きます。わたくしが領主会議へ参加したことで周囲が大変なことになるとは思っていなかったのです。お母様は会議への参加に難色を示していましたが、わたくしは「ローゼマイン様のアウブ就任式をこの目で見たい」と譲りませんでした。
「ローゼマイン様がお約束を守ってお招きしてくださったのに参加しないという選択肢はなかったのですもの……」
就任式に臨むローゼマイン様はとても美しく、婚約者であるフェルディナンド様に贈られた魔石のネックレスが胸元で光っていました。仲睦まじい様子のお二人をこの目で見られて良かったと心から思います。うっとりとしながらその様子を思い返していると、お兄様も同じように就任式の時を思い出したのでしょう。
「確かに二度と見ることがない就任式ではあったな。未成年であるため未だに上げられていない髪型、脛丈のスカート……。未成年は立ち入れぬ領主会議で、未成年のアウブが誕生したのだから」
就任式では「未成年がアウブに就任するなど前例がない」と反対する声も上がりましたが、「わたくしが前例です」とローゼマイン様が言い切り、「未成年であるローゼマイン様がアウブに就ける状況を生み出したのは、シュタープの取得を未成年にさせるように決めた皆様ですよ」とグルトリスハイトを得た正当なツェントであるエグランティーヌ様が微笑んだことで反論の声は一気に小さくなりました。
エグランティーヌ様はまだ反論している者達に、アウブとして執務を行うことができることを証明するため、ローゼマイン様が領主会議までの間に貴族院で領主候補生コースの実技の試験を全て受けて合格を得たことを説明し、反逆罪に問われていた旧アーレンスバッハの貴族達の処分も立派に果たしたとおっしゃいました。
実際にシュタープを奪われた旧アーレンスバッハの元貴族を後で分配すると言われては、アウブの職務が果たせないと言い続けられる貴族もいなかったようで、ローゼマイン様の就任式は行われました。
「ローゼマイン様がアウブとして承認されたお姿は、お兄様がそわそわして止まらないほど素晴らしかったではありませんか。またお部屋にローゼマイン様とエグランティーヌ様の絵が増えたのでしょう? アインリーベが困っていましたよ」
ローゼマイン様の就任式と同日に行われた星結びの儀式でお兄様はアインリーベと結婚しました。エグランティーヌ様が中央の神殿長として儀式を行ったのです。そちらもまた美しい姿でしたが、新婚の夫が次々と他の女性の絵を描くのではアインリーベも嘆きたくなるでしょう。
わたくしがお兄様を睨むと、お兄様は「余計なことを言うな」と嫌な顔をしました。余計なことではありません。大事なことです。
「其方はアインリーベではなく、自分の心配をすればいいのだ。就任式を見に行った代償は大きいぞ」
「……確かに興味本位で見に行くものではありませんでしたね。その点はわたくしも後悔しています」
ローゼマイン様のアウブ就任式と星結びの儀式だけとはいえ、唯一未成年でありながら領主会議への出席を許されたわたくしは、他領からローゼマイン様の親友と認識されました。
もちろん間違いではないのです。何年も一緒に図書委員を務めていることも、神事に関する共同研究を行ったのも、共にアーレンスバッハへ攻め入ってランツェナーヴェと戦ったことも、エーレンフェストの戦勝祝いの宴に招かれたことも、お揃いの髪飾りをいただくことも。
「ローゼマイン様からお友達と言われることは嬉しいのですけれど……」
わたくしがその後ろの言葉を呑み込んだのに、お兄様はハッキリと「利も大きいが、付随する面倒も多い」と言ってしまいました。領主会議以降、わたくしは友情に付随する面倒で悩まされているのです。
「エグランティーヌ様にグルトリスハイトを与えた女神の化身としてアウブの中で最もツェントに対する影響力が大きい存在になったからな」
お兄様の言葉にお父様が重々しく頷きました。
「うむ。ツェントであるエグランティーヌ様がご実家のクラッセンブルクではなく、ローゼマイン様のご意見を求める姿が会議中にあれば、どこのアウブも何とかアウブ・アレキサンドリアと繋がりを持とうとするのは当然だ」
ローゼマイン様と繋がりを持ちたいと望むことは当然でも、繋がりを持つのは非常に難しいのです。ご本人が未成年の女性ですから、当然のことながら配偶者の立場を狙うでしょう。でも、ローゼマイン様の婚約者はフェルディナンド様です。あのランツェナーヴェとの戦いから領主会議という短い期間にツェントから承認を得て、魔石を交わして婚約式を終えていらっしゃった方です。とても勝ち目はありません。
あの戦いを間近で見ていたわたくしからすれば、いくつもの謀を同時に行うフェルディナンド様に立ち向かおうとすること自体が無謀です。先に罠を張って待っているくらいのことをしなければ、すでに婚約者が決まった後から仕掛けたところで勝てる相手ではありません。
「女性アウブに婿入りするフェルディナンド様が他の妻を娶ることはありませんもの」
お母様の言葉にお兄様が腕を組んで頷きました。
「アウブ以外に愛妾を持つのはどうか、と伺いを立てたアウブもいるようだが、一蹴されていたな。自分にとって全ての女神がアウブ・アレキサンドリアだなどと言って……」
「まぁ! わたくし、そのお話を伺うのは初めてですよ。お兄様、もっと詳しく教えてくださいませ」
「胡散臭い笑顔で言っていたから、どこまで本気か知れぬし、それ以上は知らぬ」
詳しく聞きたかったのですが、すぐに話を打ち切られてしまいました。まるで恋物語のような台詞ですのに残念です。貴族院でローゼマイン様に詳しく伺ってみましょう。
……いえ、止めておきましょう。図書館都市に関する野望について語られた時のように脱力する可能性が高いですから。
ローゼマイン様ご本人に尋ねるより、周囲にいた者から話を聞く方がよほど心躍るお話が聞けるはずです。わたくしはエーレンフェストで経験したのでわかります。
「アレキサンドリアにいる領主一族は、二人の他にレティーツィア様だけですけれど、彼女はまだ旧アーレンスバッハの領主候補生という印象の方が強いです。それに、今のところはヒルデブラント様の婚約者ですからね」
お母様の言葉にわたくしはゆっくりと頷きました。
「レティーツィア様については、これから貴族院でローゼマイン様とどのような関係を作っているのか、よく調べなければならないことだ。レティーツィア様のことだけではない。クラッセンブルクやドレヴァンヒェルはもちろん、中小領地が今回の事態をどのように捉えているのか、次期アウブをどうするのか知りたい。よく調べてくれ。頼んだぞ、ハンネローレ。……それからケントリプス」
お兄様の文官見習いのケントリプスにお父様が声をかけました。最上級生で、上級文官見習いなので、最も期待をかけられているようです。「かしこまりました」とケントリプスが頷きます。
「少しでも他領の情報が必要だ。直接アレキサンドリアとの繋がりを持つのが難しいため、ローゼマイン様の実家であるエーレンフェストの領主候補生と、親友である其方に縁談が殺到することになったのだからな。少しでもローゼマイン様との縁を繋ぎ、領地の神殿改革に協力させるために……だぞ」
お父様が苦い顔でそう言うと、お母様も頷きました。
「エーレンフェストとの共同研究の結果、ダンケルフェルガーの神殿はライデンシャフトの槍を欲した騎士達が出入りし、御加護を欲する貴族達が出入りするようになりましたが、他領で同じ方法が通用するとは思えませんから……」
わたくしが他領へ嫁ぎ、ダンケルフェルガーで成功したように、と神殿改革を任されても困ります。お父様はわたくしを守るため、それと同時に、これから先ダンケルフェルガーとアレキサンドリアの繋がりを保つために、わたくしを他領へ出すのではなく、領地内に留めて婿を取ることを決めたのです。どこかの領地へ嫁入りするというわたくしの人生設計は根底から覆されました。
「領地の順位に変動があってダンケルフェルガーが第一位になったため、無理強いできる領地がなくなったことは幸いであったな。順位によっては、ジギスヴァルト様に其方が嫁ぐことになっていたぞ。コリンツダウムとの婚姻を避けて、次の領主会議でダンケルフェルガーの者との婚約に承認をもらうためにも、上級騎士見習いのラザンタルクか上級文官見習いのケントリプスのどちらかを婚約者に選ばねばならぬ」
ダンケルフェルガー内でわたくしと魔力や年齢の釣り合いが取れる殿方が二人しかいないのです。どちらも領主一族である伯父様の息子で、わたくしとは従兄弟同士になります。二人ともお兄様の側近見習いで、将来はお兄様を支えていくことを求められているのです。
わたくしはお兄様の側に立っている文官見習いのケントリプスに視線を移しました。淡い緑の髪の彼が婚約者候補の一人です。武寄りの文官で、ある意味において騎士よりもディッターを求めている部分があります。
「ハンネローレ様はダンケルフェルガーの誇りですから、婚約者候補に選ばれたことを私は誇らしく思います」
ケントリプスは灰色の目を細めて微笑みました。彼は最上級生なので、今ここにいますが、もう一人の婚約者候補であるラザンタルクはわたくしと同学年なので、すでに寮へ移動しています。ラザンタルクはハイスヒッツェに非常に似ている上級騎士見習いで、ディッターのことしか頭にない感じです。このまま二人の内のどちらかを婚約者にされると、わたくしは間違いなくディッター漬けの一生です。
……ローゼマイン様に求愛したり、アドルフィーネ様と離婚したりしていたジギスヴァルト様の第一夫人になるよりは、ディッター漬けの一生の方がまだ良いのでしょうけれど……。
わたくしにはリーベスクヒルフェの御加護がないようです。ご本人は家族愛だと言い張ってはいらっしゃいますけれど、ご自分の大事な方と婚約できたローゼマイン様のように、自分が大切だと思える方と婚約したいものです。
……わたくし、ドレッファングーアだけではなく、リーベスクヒルフェの御加護も必要なようです。縁結びの女神 リーベスクヒルフェよ。わたくし、恋物語のような劇的な恋がしたいとは申しません。けれど、他の選択肢があっても良いのではないかと思います。
わたくしがコルドゥラに作ってもらったリーベスクヒルフェのお守りを握っていると、お父様が転移陣に乗るように促しました。コルドゥラがわたくしに上着を着せ始めました。ユルゲンシュミット内では暑い地方のダンケルフェルガーと貴族院では気温に差があるため、転移陣に上がる前に一枚上着を着ておく必要があるのです。上着を着ると、護衛騎士のハイルリーゼと共に転移陣へ足を進めます。
「ハンネローレ」
「何でしょう、お母様?」
何かを思い出したかのように呼びかけられて、わたくしは立ち止まって振り返りました。
「今年からラオフェレーグが入学します。高学年の領主候補生として、貴女がよく指導するのですよ。ラオフェレーグはどうにも不安ですから」
お母様の言葉に、わたくしは目を逸らしたくなりました。これ以上、わたくしに無理難題を押しつけないでほしいものです。
ラオフェレーグは第二夫人の息子で、今年から貴族院へ入ることになっています。お兄様が次期アウブと定められた後で洗礼式を受けたせいでしょう。彼は領主候補生というよりも騎士なのです。側近達からはディッターのことしか考えていないと聞いています。
騎士達と共に訓練するラオフェレーグと違って、わたくしは領主一族に課せられる訓練しか受けていませんし、性別が違って学年が離れているので共に教育を受けることもありません。あまり接点がなくて、よく知らないのです。ただ、グルトリスハイト継承の儀式に出席を許されたのが妹のルングターゼで、兄であるラオフェレーグが留守番を命じられたことからも扱いにくさは十分に伝わってきます。
……わたくしが卒業してからラオフェレーグが入学してくれれば、このように思い悩むことはなかったでしょうに。せめて、継承の儀式に出席を許されたルングターゼが妹ではなく、姉であればよかったのですけれど……。
いくら考えても意味がないことを考えながら、わたくしは転移陣に乗りました。
「いってまいります」
「えぇ。くれぐれも注意深い行動を心がけるのですよ」
両親から離れて少し伸び伸びとできる貴族院へこれほど重い気分で向かうのは初めてではないでしょうか。黒と金の光が渦巻き、視界がぐにゃりと揺らぎました。
「ハンネローレ様の分も素材を採集してきました! 講義の準備は完璧です。これでディッターができます。どうか訓練場の使用許可を!」
転移陣の間から出た途端、明るいオレンジ色の髪をしたラザンタルクが栗色の目を輝かせて駆けてきました。ラザンタルクの背後には訓練場の開放を願う騎士見習い達がそわそわとした様子で並んでいます。ダンケルフェルガーでは祈りを捧げても光の柱が立ちませんから、この貴族院で春からこの冬までの間に神殿に通った成果を試したいのでしょう。
「コルドゥラ……」
「お部屋を整えておきます。その間に姫様は訓練場を開放してください」
採集に向かうのも、訓練場へ向かうのも大きな違いはありません。わたくしに異存はないのですが、ディッターだと喜ぶラザンタルクを見ているとガックリしてしまうのです。
……悪い人ではないのです。悪い人ではないのですけれど、婚約者候補としては……。
わたくしはハイルリーゼと共に訓練場へ向かいました。五年生の貴族院生活の始まりです。
ハンネローレ視点で貴族院五年生の始まりです。
領主会議でローゼマインのアウブ就任式に参加したことで自身を取り巻く環境が大きく変わったハンネローレ。
次の領主会議でツェントに婚約の承認を受けるため、婚約者を選ぶことに。
父親が選んだ候補はどちらを選んでもディッター。どちらも選ばなければジギスヴァルト様の第一夫人。
ハンネローレにとって大変な選択が迫りました。