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第八十六話 誤解と謝罪

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「あ~~これは威圧の後遺症だがな」

「シスター的に思うんだけどこれは【恐怖】と【混乱】の状態異常の継続ね」

「そんな事皆分かってるの。駄目駄目シスター」

「サラちゃん酷いっ!」

「腐……三人共どいて」


 気絶から覚醒し、まだ朦朧状態の僕の耳にシスター達の声が遠く届く。


「う……ん?」

「サキ姉さんっ! カイルが完全に目覚める前に【快癒】だがなっ!」

「分かってる」


 そう言いながらサキ姉さんは【快癒】の術を僕に施す。

 そのおかげか僕は朦朧状態から正気を取り戻し目覚めた。



「ふえ?」



 それだけでは無い。


 僕自身が先程まで感じていた、皆への恐怖心が完全に無くなっている事に驚く。


 何で?


「あ~~カイル」

「カイル~~その~~」

「あ~~シスター的に~~」

「腐……」


 顔を上げた僕に何か言いたくても言えないような態度の四人。


「何?」


 僕はそんな四人の態度に別の意味で怯える。


「「「「御免なさいいいいいいっ!」」」」

「ふえ?」


 唐突の皆からの謝罪に面食らう僕。


 うん。


 意味が分からない。


「頭領……実はですね。四人が私を威圧したのには理由があるんですよ」

「ふえ?」


 新月の発言に戸惑う僕。


「皆さんすでに色町で娼婦の数が足りず、争いが起きている事は知ってたんですよ」

「うん。それで?」


 まあ分かります。


 別に口止めしてないしありえる事でしょう。


「先程の私の中途までの説明が、皆様方が娼婦になれという事と受け取られたみたいです」


 はい?


「誰が誰を娼婦に?」


 コテン。


 僕は首を横に倒す。

 もう意味が分かりません。


「頭領の差配により、ここに居る四人の方々全員がです」


 

 新月は項垂れるている四人を指で示す。



「僕が?」

「はい」


 ……。

 ………。

 …………。


 アホかいいいいいいいいいいいいいっ!


 誰がそんな恐ろしい事を言えるかっ!


 それに僕がそんな事を自分の将来の嫁候補にさせるか!


「僕そんな事しないもん……ふええええええええええええええっ!」


 涙が溢れてきた。


 それはもう滂沱を超えて。


 滝のごとく頬から流れ落ちる。


「悪かったから泣くながなっ!」

「御免なのっ!」

「シスター的にも反省してるからもう泣かないでっ!」

「腐……すまなかったのっ!」


 四人とも慌てて僕に駆けつけ抱擁し謝罪をする。


「ふえええええええええええんっ!」


 いや良いけどね。


 目から汗が出てるだけさ。


 本当だよ。


 だからね。


 泣いてないよ。


 汗をかいてるのさ。


 目からね。



 皆にこんなに信用されて無いからって少しも悲しくないさ。

 強がりじゃない本当だもん!


 ここから十分程、四人の謝罪連打が部屋を騒がす事になったがそこは割愛する……。


「馬鹿みたい」

「あらあら」


 この事態を面白そうに見ているセリスとマリさん。


 他のメンバーは皆、呆れ顔で僕達を見ていた。

 

 あんたら……。

 僕は怖かったんだぞ。


 ……凄く。


 大好きな女の子達の眼前で下半身濡らしたし。

 もう最悪です……。

 

 正直舐めてました。

 此れが本当の王族クラス。


 まさか威圧の余波だけで僕が恐慌状態になるなんて……。


 最近勝ち続きで正直慢心していました。


 うう~~。

 泣きたい。

 そう思う僕であった。




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