第八十話 脅迫の仕上げ
此れで今日は終わりです
「身辺整理をし隠居する道を選んだ悪徳貴族は見逃します」
「虚偽情報の方を信じた者や、警告と受け取った上で無視した者は?」
恐る恐る僕に尋ねる剣王。
嫌な汗が流れてますよ~~剣王様。
虚勢を張ってるが分かりますね。
うん。
あんた剣王だろう。
少し威厳が足りないぞ。
何をびびってる。たかが四才児風情の僕に。
まあ良いけど。
「此方で全て始末させて頂きます」
この言葉の最後に【威圧】を剣王に込める。
刹那の時間だが。
ハッタリには充分だろう。
ビシリ。
そんな音が聞こえてくる程に固まる剣王。
うん。
四才児とは思えない冷徹で異常な言葉を聞いてしまったんだ。
これは無理も無い。
そして駄目神からの新特典を利用した【威圧】も込めたんだ。
此れを剣王が無視できるはずが無い。
まあ、僕はすでに王族レベルだからね。
威圧を使えばだけど……。
しかも【威圧】は実力が伴わないハッタリ技なんですよねぇ~~。
……。
………。
虚しいいいいいいいいいいいいいいっ!
早く強くなりたいよ~~。
はああああああああああ~~~。
溜息が出てくる。
まあ……はったりの成果はあった。
剣王は僕の言動を今までは何とか聞き流せていた。
だが剣王は最後に威圧を込めた僕の言葉だけは聞き流せなかったみたいだ。
『殺す』。
ごくありふれた言葉だ。
相手を恫喝する為に放つ言葉の常套句だし。
剣王の立場ならば幾らでも聞いてきた言葉だ。
異常なのはその言葉が四才児の僕から出たということ。
そして『それこそが此方側の日常だ』と剣王に言外に伝えている。
僕はククル村の異常性をワザと剣王に強調したのだ。
『ククル村の住人たる僕達を甘く見るな』……と。
下手に格下と侮ればその後どうなるか分かるな?
と剣王に思わせるのが目的だ。
さじ加減が難しいが今回は成功したみたいですね。
「そ……そうか」
「全て構いませんね」
「ああ……」
剣王の態度と返答に僕は気分を良くする。
「では僕はこの辺で、おいとまさせて頂きます」
「ああ……【貴殿】にわざわざ時間を使わせた事、悪かったな……」
「いえいえ」
僕はダメ押しに、剣王に背を向け軽く拱手する。
「「「「「「「「「「はっ」」」」」」」」」」
「ぬっ!」
僕の拱手を合図として、いきなり出現した新月達に驚きの声を上げる剣王。
「散開」
ザッ!
新月達は各々散開する。
僕も【気殺】を使いゆっくり剣王の前からその場を後にする。
但し完全には気配を隠さない。
完全に気配を消すタイミングが最後の警告だからだ。
そして『剣王から数メートル程離れ』完全に僕は気配を消したのだった。
「……」
寝所に残ったのはこれで剣王ただ一人のみとなった……。
評価をお願いします




