第四十五話 拷問
本日の連続投稿です
一話目
さて。
僕は改めて部屋の中を見回す。
うん。
もう誰も居ないね。
それを確認し僕は豚王子に視線を向ける。
「ふご、ふご」
やっと僕と豚王子二人だけになりましたね。
そして僕は豚王子にゆっくりと近づく。
「どうしましょうかね」
と言いつつ僕は通信用のマジックアイテムを弄る。
そして豚王子の口に噛ませていた布を外した。
「油断したな餓鬼がっ! 我に従え【下僕】起動」
人形使いの魔術が起動する。
放たれた術は僕に纏わりつきその効果を発現する。
「で?」
筈だった。
僕は見下しながら豚王子を蹴る。
「なああああっ! 何故効果を発揮しない」
術が起動してるにも関わらず平然としてる僕に動揺する豚王子。
アホかこいつ。
王宮でも最初に狙った僕に効かなかったから、その隙にあの二人に捕縛されたんだろうが。
「はあ~~そんな事を聞きたいんじゃ無いんですよね」
僕は溜息を付く。
そして豚王子の右頬に、僕は鞘から抜いた護身用短剣の刃を突きつけた。
「ま……まて平民よ。俺様にこんな事をして唯で済むとでも思ってるのか?」
「思ってますよ~~因みにこの部屋は防音完備ですので、幾ら叫んでも外には漏れません」
刃を軽く当て右頬の皮膚を薄く切る僕。
「ああ――……しまった。ここで切り殺したら調度品が血で汚れるな」
「貴様あああっ! 高貴な俺様と調度品どちらが大切だあああっ!」
「調度品に決まっているでしょう?」
しれっと僕は言う。
当たり前だろう。
豚王子なんぞに資産価値なんか有る訳無いだろう。
「即決だとっ!」
ここら辺は親子だな。
コイツの父親と似てる。
「貴様ああっ! 俺様を何様だと思ってるんだあああっ!」
「血の詰まった、ただの糞袋」
目を細める僕。
「許さんっ! 許さんぞ貴様あああああっ!」
ゴスッ!
「グガッ!」
「で?」
僕は護身用短剣の柄の部分で豚王子の頭を殴る。
「き……き」
ゴスッ!
「があっ! 貴様ああ~」
「それで?」
ガンガンと僕は護身用短剣の柄で殴り続ける。
「ぎぎぎ……ぎ……貴様」
「それだけ? 子供でももう少し言葉のレパートリーが豊かなんだがなあ~」
それから三十分も叩き続けて流石に飽きた。
そこには血と涙で顔の汚れた豚が息を切らしている。
あ~~豚に失礼か。
あれは食えるし。
この豚は流石に食えないなあ~~。
「仕方ないな。血で汚さない様に地下深くの土の中に【転移】させて殺すか」
僕はヘラヘラと笑いながら話す。
なお【転移】は【マーカー】が無くても使える。
だが普通は使わない。
転移先にある物体と融合してしまうからだ。
「貴様ああああっ! 王族である俺様を」
「今の貴様は唯の犯罪者だ。しかも一国家を乗っ取ろうとした大罪人だけど?」
ケタケタ。
と僕は笑う。
残忍さと無邪気さを混ぜ込んで。
「ふざけるなっ! 俺様を脅す気かっ!」
「脅す?」
は?
何を言ってんだ。この豚未満は。
「そうだっ!」
「なんで?」
首を傾げる僕。
「へ?」
「本気で君を殺す気の僕に何を言ってるの?」
僕は不思議そうな顔をして【転移】の詠唱を開始する。
「まさか本気かっ!」
魔術の呪文詠唱で僕が本気だとやっと理解したみたいだ。
だからさっきからそう言ってるだろう。
頭悪いな。
「ま……まて。全部話すから助けてくれっ!」
あ――……。
残念。
あっさりゲロしますか。
根性無いな。
せめて死んでも黙秘しろよ。
情けねえなあ~~。
まあいいや。
「簡単な話です。今回の件で貴方の背後に誰が居ます?」
豚王子の目が僅かだが驚きで開かれた。
どうしてその事を知ってるのかと。
アホかい。
せめてポーカーフェイスぐらい出来ろよ、と言いたい。
まあ無駄だけどね。
盗賊系スキルは相手の僅かな表情の変化で、大まかな思考を読む事も出来るからね。
「な……何の事だ」
「はいアウト。死にたいならさっさとそう言えば良かったのに~~」
僕は溜息を付く。
「なあああああっ!」
護身用短剣を抜き豚王子の皮膚をやや深めに切る。
「生憎僕の魔力は先程の【転移】で使い果たして無くなりました」
僕は護身用短剣で豚王子の皮膚を更に切る。
それはもう沢山。
「ですのでもう仕方がないので、拷問で僕の質問に答えるかショック死してください」
豚王子の傷口に酢を撒く。
そして念入りにすり込む。
「お勧めはショック死ですね」
「ぎいいいいいいいいいいいっ!」
豚王子は痛みで悶絶する。
意外に思われるかもしれないが、酢は酒と同じで傷の消毒にも使える。
前世で居酒屋のバイトをした時に先輩から教えて貰いました。
短時間で止血が出来る上に消毒出来る酢の意外な使い道を。
但し物凄く痛いが。
あれは最初に傷口を酢で消毒した時の事だ。
激痛で目の前が真っ白になりましたね~~。
話が逸れた。
拷問は自分でやっていてあれですが堪えますね。
気分が悪い。
豚王子の拷問なんて誰もしたくないっての。
「ほ……本当に分からんな」
「ほう?」
僕は面白そうに笑う。
「貴様は何を根拠に言っているのだ?」
豚王子は涙目で強がりを言う。
しかし何で今、こんな偉そうな態度が僕に取れるのか謎である。
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