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第二百一話 手加減の基準 後編

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「具体的な例を見せてあげます。リリにイル」

「何だもん」

「回答。どうした?」

「この石に手加減したデコピンをしてみて」

「分かったもん」

「肯定」


 ブンッ! と、イルとリリに足元の石を投げる。

 拳程・・の石を二人の頭部に目掛けて。


「「ちょとおおおおおおおっ!」」


 僕の暴挙に焦るセリスとマリさん。

 まあ当たれば(・・・・)大怪我どころか最悪死にますからね。

 当たればね(・・・・・)

 普段の僕はこんな暴挙はしない。

 というか女の子に、こういった事をするのは精神的にキツイ。

 まあ~~この二人の力量を知ってるからこその事だ。


 パンッ!

 バンッ!


「どうだもん~~デコピンで粉砕ではなく普通に砕いたよ」

「肯定。上手く手加減できた」


 何処か誇らしげなイルとリリ。


「ソウデスネ」


 やはりか~~。


 ククル村の手加減が基準かあ~~。


 僕は静かに泣いた。


「「はあ??」」


 間の抜けた顔をするセリスとマリさん。

 気持ちは分かる。

 僕も最初はそうだったし。

 


 というかククル村の住人の手加減の基準がおかしい。

 何で幼女のデコピンが石を砕いてるのさ。

 意味分からないよイルとリリは。


『これでも撫でるレベル何だもん~~』

『肯定。羽毛を触るレベル』


 

 こんななので其のレベルの手加減でも僕が死ぬという事を教え込んだ。

 いや苦労しましたよ。

 全然分からないし。

 時間を掛けて教えたら理解してくれました。

 

 苦労しました。



 それはそうと。



 前の模擬戦の時の事だが……。

 落とし前どうしたと思います?

 特に男の人の立会人。



 いやね~~別に良いんだよ~~僕は。


 骨折した程度だし。


 粉砕骨折だったし~~。


 魔術でも治しても完治まで時間が掛かったな~~。


 気にしてませんよ~~。(凄みのある笑み)


 僕はね。

 


 後で僕を除く孤児院のメンバーが狂戦士になったけどね。


 些細な問題ですよね~~ね。


 些細な問題だよね。

 


 関わった全員が全治五ヶ月の重症を負ったのは自業自得と思いませんか?


 まあ男の人限定だったけど。


 男の人はそれが妥当と思うよね?

 

 思うよね~~。(黒い笑み)


 思うと言え。





 女子の立会人若しくはイルとリリの処分はというと。

 全員その場で三十分正座してもらいました。


 崩した足を羽毛の羽でくすぐって痺れさせたのは良い思い出です。

 

 何?

 僕にもう少し報復しろと?

 女の子相手に?

 同じ子供だから勝てるだろうって?

 

 王族クラスの実力者にどうしろと?

 当時の僕は凄く弱かったんですよ。

 それでどうしろと?

 

 いや良いけど。


 サキ姉さんに治療してもらったし~~。

 膝枕してもらいながら。

 あれは役得でしたね。

 

 ふ~~。

 気持ちよかったな。






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