第百五話 衛兵
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「あ~~皆様、大変に言い出しずらい事なんですがあ~~」
「「「「「「何だよっ! 煩いなっ!」」」」」
僕の言葉にイラつく六人の男達。
話を聞こうね~~。
――というか煩い。
「大声出してるから衛兵に見つかりました」
「「「「「「へ……?」」」」」」
僕が溜息を付くと共に指差す。
僕が指差した先には複数の明かりが見える。
其の光景に六人は息を呑む。
あれは巡回してる衛兵のランタンの明かりだね。
予定より到着が早い。
多分此の六人が騒いでたからだ。
「貴様……ああああっ! 何……と……っ!」
まだ遠くに居るので衛兵の声が聞こえにくい。
あの衛兵は目が良いな~~。
夜でこの距離。
見えてるな。
そう思いながら六人の客の顔を見る。
間抜け面を晒す六人の男。
さて……どうする?
僕のスキルに間違え無ければ既にかなり近くまで来ている。
時間にして十分。
其れぐらいか。
「貴様ら~~街中で覗きとは良い度胸だなああああああっ!」
あっ……。
想定より足が速いな。
かなり近くまで来てるよ。
――うん?
あの顔は?
門の所で僕とクリスを追いかけた衛兵の人だ。
ヤバイ。
「皆さん逃げてくださいっ! 捕まっても保証金は出ませんよ」
「「「「「「何で?」」」」」」
樹木の上で固まる六人の男達。
何を当然の事を言ってるんだろう?
「当たり前でしょう? 僕は不本意ながら捕まった場合と言いましたからね」
「「「「「「ちょっと待てええええええええええっ!?」」」」」」
慌てて降りだす六人の男達。
「え? 何で?」
僕は立ち止まり首を捻る。
何時でも逃げ出せるようにスタタ~~と、足踏みしてます。
「人情的にも普通は払ってくれる所だろう普通はっ!」
「そうだぜっ! 何のためにお前を信じたと思ってるんだっ!」
「俺達は客だぜっ!」
「頼む助けてくれっ!」
「ぎやあっ! 衛兵が大勢居るっ!」
「お助けええええええっ!」
……うん。
一人遅れて完全に捕まってるな。
しかも残りは何とか逃走は出来てるみたいだが……。
遅かったみたいだね。
「いやああっ!」
「動くなああああっ!」
「ひいいいっ!」
「タンマッ!」
「いいいいいいっ!」
「やめええええっ!」
「だあああああっ!」
捕まり始めてるね~~。
実は衛兵には多少時間外でも覗きは見逃すよう話をしていたんだ。
此方に不測の事態がなければね。
但し、そうでなければ時間内でも捕まえても良い事になってる。
今回は客が騒いだので此れは此方の想定外。
捕まえても良い。
騒がなければ良かったのに……。
その他にも捕まった時の事も考えてるがその事は後で話す。
此れも街の治安を守る為だ。
最近色町で女を買えなかった男達が問題を起こすのが多い。
ならば適度に欲求不満を減らせば良い。
ようはガス抜きですね。
そこで不満を減らす事のの一つとして考えたのがこの覗きだ。
この六人も僕の言う事を聞いてれば桃源郷が安く見られた筈だった。
事実他の客は僕の言う事を聞いて普通に楽しんでましたからね。
中には時間を超過した客も居た。
そういった客はキキ達を通して衛兵に捕まえられても軽い罰金刑にしてもらってる。
その客は此方の言う事を聞き行儀良くしてたからね。
そうして僕は有料覗きを続けた。
此れが成功した。
捕まるかもしれないというスリルは男達を昂奮させた。
その結果適度なガス抜きとなった。
その結果暴力沙汰は減り治安が良くなっていった。
こうして気が付けば治安の維持に役立っていたと言う訳だ。
今回の人たちはは覗きに夢中になって降りるのが遅かったな~~。
というか大声上げなければ時間内だから間に合ったのに……。
まあ良いか。
目的は果たしたし。
とはいえ有料覗きはもうそろそろ辞めるべきかな?
下手すれば恨みを買う事になるし。
となると計画は次の段階に進むか。
――うん。
さて……。
「皆さん頑張って逃げてください~~♪」
手を振る僕。
「「「「「「鬼かてめえっ!」」」」」」
良い笑顔をする僕。
「残念ですね元お客様」
「「「「「「客だと思うなら助けろっ!」」」」」」
肩を落としワザと溜息を付く僕。
「此方の指示を聞かなかった段階で、お客様では無いですよ」
「「「「「「「鬼畜かああああああっ!」」」」」」
「照れるなあ~~♪」
「「「「「「褒めてねえっ!」」」」」」
「分かってますよ」
「「「「「「こいつ最悪だっ!」」」」」」
失礼な。
さて竜兵士にジョブを変更してっと……。
「ではっ! 皆さんお元気でっ!」
僕は片手で挨拶をしなが全速力で逃げ出した。
「「「「「「逃げたあああっ!」」」」」」
失敬な。
戦略的撤退と言って欲しい。
僕も捕まったら普通に罰金を払わせられるんだから。
嘘だけど。
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