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学校帰りの放課後のいつもと変わらない毎日。
退屈な日々の繰り返し。
有り得ないくらいのなんか面白いことが起きればいいのに…。
そんなくだらない事ばかり考えながら、アクビ混じりにボンヤリと家路に向かって歩く。
人気のない路地を歩いていると、いきなり足元にオレンジ色の光る魔法陣が浮かび上がった。
俺の心が歓喜に染まる。
よっしゃ来た、やった。
異世界召喚だ。
もしかして俺って超ついてる。
俺って、もしかして伝説の勇者だったり…。
んでもって、さくっと魔王なんか倒した後は、国中の女の子達にモテモテで、美少女たちが俺をとりあったりとか…。
そのうち女の子の誰かが、「みんなで勇者様(俺)のものになりましょう」とかいいだして。
んでもって、俺のハーレムなんかできちゃて、その中に大国の王女様がいたりするんだ。
そんでもって、ハーレム込みで王女と結婚して勇者から王様にジョブチェンジ。
うっしゃすげえ燃えてきた!
俺の名前は山田桃太。
中学二年で想像力がちょっとばかし豊かな、いわゆるどこにでもいる。
友達いわく、重度の夢見るオタクである…。