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眩く光る、魔法陣の光が消えた時、双子は、ファライア国の王城にある、いつもの見慣れた召喚部屋にいた。
そして、目の前に立つのは顔馴染みの、この城で働く人々が皆、嬉しそうに2人を見ては、声をそろえて言う。
「ようこそ葉月様。優月様。お久しぶりで御座います」
更にその後ろから、この国の第2王子と、第1王女がヒョツコリと現れた。
「よう、葉月。優月。今回は急に呼び出して悪かったな」
姉よりも5センチだけ背が高く、178センチある身長。
そして肩に掛かるクセのある金髪に、眼鏡をかけた碧眼の瞳。今年の6月に16歳になったばかりの、優しげな風貌をもつ美形顔の兄は、双子を見てニコニコ微笑んでいる。
さらに、腰まである緩やかなウェーブのかかった金髪に、兄と同じ瞳の色を持つ12歳になる美少女な妹姫が兄に続いて言った。
「お久しぶりです。葉月姉様と、優月君。前回あちら側に行った時には、色々な事を教えてくださって、リーアはとても嬉しかったのですわ」
この国の王には、3人の子供がいる。
第1王子のローエン、表向きには、身分を隠して他国に留学している事にはなっているが、実は異世界にある父方の叔父である緒流場家から、すぐ近くにある日本の大学に通っていたりする。
次男のラズワーンと長女のリーアは、この国1番の学園から、優秀な講師を城に招いて、勉学に励んでいるのだ。