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The Another World  作者: やあやあやあ


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第二話 The encounter 第一篇

俺の前に現れたのは異形の化け物。その化け物は二足歩行で片手にはナイフ、もう片方の手には弓を携えていた。その化け物は俺を見るや否や雄叫びを上げる。その雄叫びはおぞましい絶叫。その雄叫びはその化け物が自身を証明するかの如くあたりに響く。そう、この世界を彼だけのものだと主張するがごとく。そんな響きがそこにあった。その様はまさに(本能の奴隷)。俺は動くことができなかった。その心に入り込む絶叫の中のその獣の意思、おぞましさの象徴が俺をつかんで離さなかったから。動くことのできないその獣は俺をあざ笑う。俺はそんな獣の様子をただ茫然と眺めていることしかできなかった。その獣は俺に向かってくる。目にも止まらぬスピードで。ナイフを構え、その構えに殺意をのせて、その疾走に焦燥をのせて、俺を殺すために。こんな光景を見た時に湧きあがるこの気持ちはなんだろうか?俺にはこの気持ちを確かめる術を持ち合わせていなかった。

~~~~~~~~~~~~

俺は目覚めると目の前には広大な青空があった。眩しい日差しが横たわる俺の顔に突き刺さる。僕は右手で顔に刺さる日差しを払いのけて、周囲を見渡した。そこには草原が広がっていた。俺は戸惑う。俺が住んでいた町にこんな場所はなかったはずだから。その瞬間、俺の心に言いようのない苦しみが入り込んできた。(ここはどこなんだろうか。どうしてここにいるんだろうか。こんなことを考えているとどんどん気持ちが悪くなる。だからだろうか、この光景が嫌いだと感じるのは…)俺はこの景色から逃避するためにかつてのあの好きだった景色を思い出していた。広大な街並みと暗闇を称える灯。逆さになった電柱と浮遊する人影…違う。こんなんじゃない。広大な青空と眩しい日差し。揺れる電柱と落ちる人影…違うこんなんじゃない!どうしてどうして思い出すことができないんだ!気持ち悪くなってくる。かつて俺の心にあったはずの光景、理想がこの唾棄すべき醜悪な景色に貶められたように感じてしまったから。俺の心が苦しみ、気持ち悪さで埋め尽くされたその時だった。あの獣が現れたのは。

~~~~~~~~~~~

僕の前に現れたのは一人の女。その女は僕にいった。「ようこそ。私の世界へ。」彼女はいたずらに笑ってそう言った。「私の世界…?」僕がそう呟くと彼女はおもむろに指を鳴らす。その刹那、彼女の背後で世界が広がった。「フフフ。どうかしら、この世界は?」彼女は得意げにこちらを見てどや顔を見せる。彼女が見せたその”世界”は輝きで溢れていた。地平線まで広がる草原、雄大な山々、群青を魅せる海、燦燦と輝く太陽とその下で暮らしている人々。そう、そんな輝きで満ちていた。僕はついその輝きから目を逸らしてしまう。僕にとってその輝きは今まで見た何よりも醜く見えたから。僕が目線を逸らす。彼女はそんな僕を無視して話を続ける。「この世界は私が創り出したの。そうそう、あなたの世界ではそう言う存在は”神”と呼ばれているんだよね。フフッ、神か~♪こんな短く纏まっててかっこいい響きを持つ単語なんてなかなかないもの。初めて聞いたときから、私、気にいっちゃたよ!」彼女は無邪気に笑う。僕はこの状況が呑み込めないでいた。僕はあたりを見渡す。「ここは私の世界の衛星軌道上にある”座”その一つよ。」そんな僕を窘めるように彼女は言う。そんな彼女の言葉をきっかけに僕は自身を取り戻した。「何を言っているんだ?ここはどこなんだ?どうして僕はここにいるんだ。お前はなんなんだ。わからない、わからないよ!」「質問が多いよ、橘君?まあ、勝手に呼んだのはこちらだから、その質問に答えてあげよう。ここは私の世界、「The Another World」の衛星軌道上に点在する世界監視基地、通称”座”。そのうちの一つ。君がここにいるのは私がここに呼んだから。そして私はこの世界を創りしもの、そう”神”だ!!」彼女は得意げにそう言った。「神?」僕は改めて胡散臭い目で彼女をジッと見ている。「そう、今あなたに見せたこの世界を創ったのが私!どう、すごいでしょ。」そう言う彼女はとても無邪気に笑って見せる。「ちょっと待て、待ってくれ。何を言っているんだ?神?呼んだ?” The Another World” ?説明してくれてありがたいがどうにも呑み込めないよ。その情報は僕にとってあまりにも非現実すぎて。」彼女はそんな僕を置いてけぼりにして話を続ける。「今わかる必要はないのだよ、橘君!これからすべてが始まるのだから。」彼女はそう言うと目の前を彼女が見せた世界と同じ輝きが埋め尽くした。僕は思わず目を閉じる。その瞬間、僕の意識は失われた。

~~~~~~~

彼女の視線の先には彼がいた。「ようやくね。」彼女の背後から呼びかける声がする。彼女はその声を黙殺した。彼女の肩が小刻みに揺れる。「へえ、寂しいんだ。この世界が収束を始めたから。フフフ。情けない。」そんな言葉を残してその声の主はどこかへ去っていく。残された彼女は目の前にある世界を前に涙を流していた。「ねえ。今度こそこの世界では幸せに生きてよ、橘君。この世界で誰にも負けないくらいに…」彼女の目の前には希望に満ち溢れた世界が広がっていた。

続く

読んでくださってありがとうございます。

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