答えはそれじゃない
私の中でホットケーキといえば祖母が朝ごはんで作ってくれるホットケーキだ。
いつもホットケーキにかけるのははちみつかメープルシロップかで揉めたりもした。祖母がはちみつ派で私がメープルシロップ派。毎回どちらがいいか語ったりもした。
めんどくさいなんて思う人もいるかもしれない、でも私はこの祖母とのやりとりが楽しくて、大切な思い出だったのだ。
祖母亡き今もたまに朝ごはんにホットケーキを作る。子どもたちはケーキシロップが好きなようである。夫は目玉焼きとベーコンをつけ合わせている。ホットケーキの可能性を考えさせられる組み合わせだ。
子どもたちが朝ごはんのホットケーキを食べているのを見ていると電話がかかってきた。
「ねえねえ、この間話していた件なんだけど考えてくれた?」
「お母さん、お母さんはホットケーキに何をかける?」
私は質問に質問で返した。
「え?今はそんな話いいじゃない」
そう言うこの人に対して何かが一気に冷めていった。
「そっか。私はお母さんがホットケーキに何をかけるかも知らないくらいだからさ、力になれない」
私は母だった人にそう言ってブロックした。
大切な人、せめて家族がホットケーキに何をかけるかは知っていたいと考えるのはわがままだろうか。
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