終結
桐生の怒涛の攻撃を受け、錦山はすぐに降参した。
「……分かった、俺の負けだ……」
彼は膝をつき、頂上の床に額を押し付けた。
「2年間の詫びとして……錦山組恒例の焼き土下座をさせてもらう」
錦山の声には、悔恨と決意が混じっていた。
そして、彼だけでなく、改造人間のウエポンズたちも連帯責任として次々に土下座を行う。
体中の武器を背負ったまま、皆が鉄板に額を押し付ける光景――神室町のタワー頂上は、異様な沈黙と緊張に包まれた。
桐生は静かにその様子を見下ろし、長く続いた2年間の恨みと怒りが、ようやく少しずつ解けていくのを感じた。
焼き土下座で満身創痍の錦山とウエポンズを前に、桐生は一瞬の躊躇もなく銃を発砲した。
弾丸は確実に標的を打ち抜き、錦山町の支配は一瞬にして崩壊する。
すると画面に錦山が映し出された。
「よー。これはオレが死ぬと再生される様になっている。これを見てる者!お前はここで死ぬ!このミレニアムタワーには昔、東城会の峯という男が体に巻いていたというプラスチック爆弾300個が仕掛けられている。ざまぁみろ、オレが最後に勝つのだ!」
桐生は死を覚悟した。
しかし何故かミレニアムタワーは爆発しなかった。
後で分かったがプラスチック爆弾は全てオモリだったという。
それから破壊され散乱した街は整備され、人々は徐々に元の神室町へと戻っていった。
空を見上げる桐生の目には、平穏を取り戻した街の光景が映る。
だが、今となっては錦山がなぜあれほど変わってしまったのか、その理由は誰にも分からなかった。ちゃんと話聞けば良かった。
神室町は元の顔を取り戻したが、そこに刻まれた記憶と傷跡は、桐生の胸に深く残り続けていた。
オレの隣には妻と娘が居る。
それで充分だった。




