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極み  作者: 甲斐田誠
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桐生は鬼の形相で錦山に近寄った。

「堂島組長が、セレナのママを連れ去った……」桐生の声は低く、怒りに震えていた。

桐生は決意を込めて言った。「セレナは俺が守る。」


神室町の一角、セレナという店の中。

桐生は慎重に店内に入り、壁際に置かれたロケットランチャーとバルカン砲を手に取った。

手元のコンソールには大きな赤いボタン――「防衛モード起動」の文字が光っている。

桐生は深く息を吸い、迷わずそのボタンを押した。


瞬時に店内の防衛システムが作動し、足元の地雷は待ち構える敵に向けて警戒態勢に入り、天井や壁からはレーザービームのターゲットが作動した。

外から迫る堂島組の気配に、神室町の夜が重く張りつめる。


一方、錦山は言葉少なにうなずき、迷いなく1人で堂島組のアジトへと向かった。

ネオンの光に照らされる夜の街を、彼の足音だけが静かに響く。

決意を胸に、錦山は戦場へと突き進む。 


錦山は堂島組のアジトに足を踏み入れた。

薄暗い部屋の奥、組長は威厳を保ちながら椅子に座り、こちらを待ち構えていた。

「ママを助けたいなら……サシで勝負だ。叩いて被ってジャンケンポン、どうだ?」

組長の挑発的な笑みが、部屋の空気をさらに重くする。


錦山は息を整え、ジャンケンに臨んだ。

「ポン!」

勝った……!と判断した瞬間、錦山の手には灰皿が握られていた。

本来ならピコピコハンマーで叩くはずだったが、勘違いしたまま灰皿を組長に叩きつける。


「ぐはっ!」組長が思わず声をあげる。

錦山は一瞬、自分のミスに目を丸くしたが、状況はすぐに混乱の渦に飲み込まれていった。


その瞬間、桐生がアジトにやってきた。

「錦山……何をやったんだ?」桐生の目は怒りと冷静さが入り混じっていた。


錦山は俯き、低い声で答えた。

「東城会の大幹部を……殺してしまった……」

その表情には後悔と焦燥が滲んでいた。

錦山には、病気の妹しか身内はいない。

妹を守るため、そして絶望の中で突き動かされた結果だった。


桐生は深く息をつき、静かに決意した。

「わかった……俺が代わりに罪を被る。」

錦山の肩に手を置き、桐生はその身を盾に、錦山の妹と未来を守る覚悟を示した。


錦山の肩に手を置いた桐生は、静かに覚悟を決めた。

そのまま隣の部屋の裁判所に連行される。

堂島組長を殺害したことは事実として認められ、裁判は進行した。


「被告人、桐生一馬……有罪。監獄島へ移送。」

判決が下ると、部屋の空気が重く沈んだ。

桐生は顔を上げず、静かにうなずく。

外では神室町の夜が変わらず輝いていたが、彼の未来は今、この瞬間から制限されることとなった。

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